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まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫)

まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫)

まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫)

作家
原田マハ
出版社
幻冬舎
発売日
2014-02-06
ISBN
9784344421578
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まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

タイトルが『まぐだら屋のマリア』、そして主な登場人物たちの名前が紫紋(シモン)、悠太(ゆうた⇒ユダ)、丸弧(マルコ)、与羽(ヨハネ)とことごとく聖書に登場する。地名も地塩村をはじめ、これまた聖書由来である。何故にそうする必要があったのか、全く不明である。内容的にも聖書とは接点を持たない。プロットの展開は先に進むほどに通俗を極めてゆく。また、人物像の造型、あるいは彼らが置かれたシチュエーションまたいたってステレオタイプのそれである。作家がこの作品を書く意図が全く理解できない。

2021/04/14

ミカママ

喪失と再生の物語。紫紋(男性主人公)やマリアはともかく、丸弧や与羽に至っては脱力。「地塩」村もすぐにピンときた、なんせ母校のモットーだからね。いいお話しではあるのだが、構成についてもいろいろ無理がありすぎると思う。マハさん、迷走期だったか?

2021/01/28

zero1

【死んで楽になるくらいなら、生きて苦しみなさい】喪失の先に再生はある?有名料亭の板前見習いだった紫紋(シモン)は期限切れ食材など不正事件ですべてを失う。死のうと逃げたのが海に近い【尽果】。マリアに拾われ定食屋【まぐだら屋】の手伝いをすることに。登場人物はマルコやシモン、キリエ、ヨハネなどキリスト関連の人と語句。女将とマリアの関係、位牌と左手薬指の無いマリアの秘密。それらがシモンの過去と交互に明らかになる。後半に説明が多いのが気になるが、【生きろ!】という原田のメッセージが伝わる。やや粗いか。

2019/11/08

yoshida

東京の老舗料亭「吟遊」で修業する紫紋。彼は母を「吟遊」に招待し料理を食べて貰えるよう、毎日の修業に励む。同僚の仲居・晴香の「吟遊」の不正の告発。後輩の悠太の自殺。絶望した紫紋は死に場所を求めて東北の寒村「尽果」の食堂「まぐだら屋」に行き倒れる。「まぐだら屋」を経営するまりあに助けられた紫紋は女将の許しを得て、「まぐだら屋」で働く。まりあの壮絶な過去。死よりも生を選び罪を償う覚悟。生きるほうが辛い罪。それでも生きてゆくのだ。女将に赦されるまりあ。尽果の人々に恩を返し母の元へ帰る紫紋。絶望から再生を描く名作。

2015/10/17

さてさて

この作品は、登場人物、そしてその意味ありげな書名からも分かるように、新約聖書の世界を意識して書かれたもののようです。【イエスの死と復活を見届ける証人であった】とされるマグダラのマリアという存在を思う時、『変わったよ。あなたも、私も』と紫紋に笑顔で語りかけたこの作品のマリアという存在は、【マルイセイユ郊外の洞窟で禁欲的な瞑想と苦行に余生を捧げた】というマグダラのマリアの伝承と重なるものを感じさせました。光り輝く未来を見るその結末に、マリアという女性の存在が自分の中に強く刻まれた、そんな作品でした。

2020/10/27

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