悪意の家 (現代教養文庫 3030 ミステリ・ボックス)
悪意の家 (現代教養文庫 3030 ミステリ・ボックス) / 感想・レビュー
夢追人009
アガサ・クリスティー女史に代表される様に英国の女流作家には本当にフーダニット・ミステリの名手がたくさんおられるなあと本書を読んで改めて思いますよね。複雑なトリックというよりも目立たない全く読み手の眼中に思い浮かびもしない意外な犯人を創造する技に著者は本当に長けておられてもう名人芸の域に達しているなと感服しましたね。それから若き骨董商女子ドーランの名推理と恋路の行方をもっともっと読みたかったですが既に25年が過ぎた今ではもう続巻の刊行は望めそうにないなと諦めの気持ちに傾きつつ一縷の望みを抱いて待ち続けます。
2018/01/20
sohara
浅羽莢子訳のミステリー。イングランド南部の小さな村に住み、近くの港町にある骨董の店を共同経営しているドーランを主人公とするシリーズ1作目。浅羽訳なので、安心して読み進められるも、コップの中の嵐というべきか、物語はドーランの住む村で終始するので、いささか広がりに欠けるきらいあり。むしろ、ドーランが大学をドロップアウトした26歳の娘なのに、そこそこの屋敷と骨董の店を所有しているという設定が興味深かった。1986年の作品だが、現在の英国でも通用する人物設定だろうか?
2014/05/06
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