天保図録(一) (春陽文庫 ま 11-1)
天保図録(一) (春陽文庫 ま 11-1) / 感想・レビュー
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将軍家斉の大御所政治が長く続き、次代の家慶は中年期のスタートとなった。ここの転機に満を持して切り込んできたのが老中水野忠邦。旧家斉勢力を強制的に排除した。宮廷クーデターとも言える権力闘争だ。松本清張が時代劇に天保を選んだ理由が判る。忠邦の側近は鳥居耀蔵。儒学の林家から出てきた俊才だが、蘭学を憎みことはなはだしい。日の出の勢いの鳥居家には仕官を望む野心家が集まった。不祥事で長崎の地役人を追われた本庄茂平次は、耀蔵にとって都合のいい駒だった。茂平次も小才が利き剣も使える。耀蔵の陰謀が渦巻く序盤。第二巻へ。
2024/06/22
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