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「自己啓発病」社会(祥伝社新書263)

「自己啓発病」社会(祥伝社新書263)

「自己啓発病」社会(祥伝社新書263)

作家
宮崎学
出版社
祥伝社
発売日
2012-02-02
ISBN
9784396112639
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「自己啓発病」社会(祥伝社新書263) / 感想・レビュー

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杜のカラス

 自己啓発、仕事や学業で、自分をいかに向上させるか、成績向上でもあり、仕事が生きがいと考える人たちに、能力や資質を高めて、評価を上げるための方法論でもある。ただ、それが組織への貢献や勤務実績向上、報酬増加、地位の向上などにつながっているだけに、自己啓発論が空しく、ただの組織論、経営論になっていく。松下幸之助や渋沢栄一などの起業家、経営者、商売人が政治家とともに、単に金持ちなどとして評価されないのも、結局は、金のための人生じゃないかという日本人的な倫理観によるものと思う。稲盛和夫は、まだ死んでも元気、だが。

2022/11/29

阿部義彦

祥伝社新書、この著者宮崎学さんは毀誉褒貶が激しい方ですね、私も「突破者」を読みましたけど好きな部分と嫌いな部分が半々かな?反骨精神の権化の様な硬派です。この本の主張には心から賛同します。最近は経済苦ではなく漠とした不安で自殺する人が多い。何故今の世はこうした不安を与えるのか。それこそ多くの人が「自己啓発病」にかかってるからではないか?多くのハウツー本は努力すれば誰もが「夢がかなった」り「自分が変わった」りできると唱える。しかし、出来るはずがないのだ。もし「できる」と本気で信じているとすればそれこ病である。

2016/07/03

Takayuki Oohashi

この本の前半部を読んだ時、ちょうど小泉首相が政権を握っていた頃に、鹿児島の小さな本屋が次々と潰れていったことを思い出しました。小泉さんの構造改革が成したのは、様々な所で競争原理を導入し、相互扶助で支えられていた中小の事業者を解体したことだと書いてありました。人々はそれでも、「自力をつけよう」と自己啓発に励んだが、結局得られたのは、更なる格差社会と貧困層の増大だったとのことです。……この頃流行った言葉では「負け組」の僕はそれを知っただけでも溜飲が下がったのでした。

2016/05/18

さよならキダ・タロー・寺

久しぶりに宮崎学を読んだ。著者近影の写真が随分痩せているのが気になる。スマイルズ『自助論』を中心に、自己啓発ブームを斬り、本来の人間関係の繋がりに目を向ける本。自力か他力か。自己啓発本の胡散臭さは宗派の無い宗教だと思う。ビジネスマンや綺麗になりたい女性は大概信じてる宗教。宮崎さんはそういう方面でなく、社会問題に目が行く。この辺は元学生運動家だな。私は哲学や仏教、歴史や古典の本がコンビニに並んでるのも、ある種の自己啓発ブームだと思っている。

2012/03/07

ichiro-k

昨今の「自己啓発」ブームは「己さえ利すれば良い」という利己的動機である、と切り捨てている。 著者にとって震災以後の「絆」や「頑張ろう日本(本文では東北)」の掛け声には実感(本文では肉感的)がないとのこと。同感である。 内容の大半はサミュエル・スマイルズの「自助論」の抄訳が誤解を招いていると主張。「木を見て森を見ず」の近視眼的で違和感あり。 利他・互助・共助の精神が薄れてきているのは、もっと大きな理由があるんではないだろうか?

2012/02/08

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