談合文化論
談合文化論 / 感想・レビュー
G2
地元に帰って来て感じていた地方で仕事をすることへのモヤモヤが多少すっきりした。要するに戦後の地方経済にこれまで自立の精神なんてものはなかったという話だ。戦後の高度成長+田中角栄の取った土建国家政策でもって政治的にやりくりしていたのが実態で、成熟し、再分配するだけの体力が中央になくなれば地方が衰退していくのは当然だ。本書は土建業界に特化した論考だが、他の産業にもある程度敷衍できるだろう。資本も製品もサービスも都市部からやってきて地方はそれを消費するだけなんだから(ちょっと辛辣すぎるか…)
2015/12/20
まじょるか
談合は江戸時代からある地域自治の仕組み。それを壊すなという主張。「オヤ・コ」に基づく日本の組織。彼の推奨する「自治としての談合」。日本では国家と国民も「オヤ・コ」関係だと思う。
2014/02/21
よこづな
「ムラ」の話が面白い。“百姓には法を出す権能はない。法はいつも支配している側が発令する。しかし同時に注意を払わなければいけないことは、法は支配者の恣意によって出されるものではないということである。”(田中圭一)”今日ムラの解体などといって憂えられているものはしょせんは近代になって創出された部落や十五年戦争期に作り出された隣組の解体なのであり“(岩本由輝)
2012/04/21
都人
談合は住民自治から始まった。非常にユニークな文化論。
2010/02/03
ILP71
日本の伝統的な意思決定の仕組みに一定の合理性があることは、感覚として理解できるところではあるが、それをロジカルに語ることは簡単でない。著者の知識は豊富だし、主張するところも肯けなくはないが、ロジカルに語ることには失敗しているように感じた。
2017/04/04
感想・レビューをもっと見る