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ブス論 (ちくま文庫)

ブス論 (ちくま文庫)

ブス論 (ちくま文庫)

作家
大塚ひかり
出版社
筑摩書房
発売日
2005-07-07
ISBN
9784480420923
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ブス論 (ちくま文庫) / 感想・レビュー

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mm

なるほどふむふむポイント1、源氏物語に登場するブス末摘花・花散里・空蝉は、光源氏にしっかり保護される。これは、美形礼賛で醜はよってたかって馬鹿にされた平安時代では不思議な成り行きである。彼女らの特徴は、ブスでも性格美人。末摘花は嫉妬せず、でしゃばらない。花散里は良妻賢母。空蝉も控えめでセンスが良い。つまり、男にとって便利な女であれば生きる道もあると示したところが画期的。これは、母系社会が崩れ始め、父性社会へ移行する時期に起こった価値観の変化。ポイント2、江戸時代になるまでブスの容姿に決まった特徴はない。→

2021/03/20

たねひ

何ともインパクトの強いタイトルだけど、文献を基に日本人の女性観や美醜にまつわる価値観の変遷を辿っていて興味深く読めた。時代が下るにつれて男尊女卑の傾向が強くなっていく様子も窺え、微妙な気持ちになる。著者の考えでは、仏教伝来以前の時代には長寿や武力をもたらすものとして「醜」に畏れを抱く考え方があったとか。確かに、イケメンや美女よりもブス・ブ男の方が勉強もでき、体力もありそうなイメージというのはあるかも。今後は「醜パワー」全開で行こうか…とも思うけど、やっぱり少しでもキレイになりたいな。

2014/10/26

kamome555

論、というだけあって、結構読み終わるのに時間がかかってしまいました。時代によりどういう顔が美醜の基準になったか、ではなくて、「醜」とみなされた人間がどう扱われたかが焦点になっています。文中に何度も出てくる「醜パワー」。ブスには長命、福をもたらすなど、「ぞんざいに扱うとヤバイもの」として扱われた時代もあったそう。「人は外見じゃない、中身だ」という道徳観で育ってきたはずの私も、気が付けば「太っているのは怠惰な証拠」とばかりにジムに通い睫毛にはパーマをあて歯の矯正も検討する日々。今後は醜パワー炸裂でいこう。

2013/01/09

songbird

☆☆☆

2020/03/21

出口求

吾輩はブスである。そのため本書を手に取ったわけですが、これは「ブスの顔」とか「ブスにならないために」というシュガーなネタは含まれていない。古代文献から現代にまで、ブスはどういう定義であったか、その歴史の変遷を出来る開け忠実に見て行こうという書籍です。古代は「醜」に怪力や神通力などのパワーが宿り、平安・中世で衰え、やがて現在のような超視覚オンリー分化においては「醜」パワーすらなくなっていきます。美以外には価値がない。そんな乱暴な区分はよくないんじゃない?という柔らかな提言です。

2019/08/22

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