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笑う子規 (ちくま文庫 あ 2-7)

笑う子規 (ちくま文庫 あ 2-7)

笑う子規 (ちくま文庫 あ 2-7)

作家
正岡子規
天野祐吉
南伸坊
出版社
筑摩書房
発売日
2015-01-07
ISBN
9784480432391
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笑う子規 (ちくま文庫 あ 2-7) / 感想・レビュー

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はたっぴ

司馬遼太郎作品を読み耽っていた頃、『坂の上の雲』での一巻目が難解で投げ出したことがある。日露戦争が主題なのに、なぜ正岡子規が出てくるんだろう?と…。後にこの作品が、主人公・秋山真之と同級生だった青年達の青春の物語だということがわかり、子規への関心を持つきっかけとなった。前作と同時並行で、読友さんからのお薦め本を堪能。表題通りにふふっと笑える俳句ばかりで、天野さん流の句解もなるほどねぇ~と頷ける。ここに南伸坊さんのイラストが入り、調和のとれた面白い俳句集に仕上がっている。解説は前作の著者・関川夏央氏。

2016/05/22

つねじろう

「柿くえば鐘が鳴るなり法隆寺」そう最初の子規との出逢いがこの有名な句だから子規の第一印象はユーモラスで明るい。天野さんもそういう作品を集めてくれて彼のツッコミと南さんの絵とともにそのおかしみの世界を拡げてくれる。で、この二人の仕事ぶりは素晴らしい。「人に貸してわれに傘なし春の雨」「行水や美人住みける裏長屋」(この伸坊さんの子規が良いのよ)「睾丸の大きな人の昼寝かな」が好き。読み終わって浮かび上がる子規の姿はやはりあぐらを組んでバリバリ柿を食らってるそれである。その褌からは豪快なものが溢れてたかもしれない。

2015/05/27

TakaUP48

肺結核と脊髄カリエスを患い、「病牀六尺」を書き、母と妹に見守れながら34歳で亡くなったノボさん。俳句への新たな道を切り拓いたノボさんは、痛みに苦しみながらもユーモアを忘れなかった人。その”おかしみ”を引っ張り出し並べた1冊。「柿食えば~法隆寺」は、漱石の句がヒント?「銭湯を出づる美人や松の内」色っぽか。「盗人の暦見て出る恵方かな」物騒なり!「春風や象引いて行く町の中」こういう風は良い。「枝豆ヤ三寸飛ンデ口ニ入ル」やったね!「渋柿は馬鹿の薬になるまいか」脳に刺激を!「一日は何をしたやら秋のくれ」あるある!

2022/06/25

HANA

俳句の「俳」には「おどけ」「たわむれ」という意味もあるらしい。子規の句の中から可笑しみを含む句をまとめたという一冊。個人的にはあまり可笑しみを感じることはなく、変に寂しさを感じた。明るい透明性を帯びた寂しさという感じ。可笑しみを感じたのは睾丸二句くらいか。句が叙情性に満ち満ちているからかなあ。収録作には名句が多く、秋の部の「山門を~」とかは読みながら音が聞こえてくるような、今まで知らないのを後悔させられるほどの句。南伸坊の絵もよくマッチしていて、よくわからないけど禅味みたいなものを感じさせられる。

2015/02/26

正岡子規が詠んだちょっとユニークな俳句集。子規ゆかりの愛媛県民ながら子規の作品は『柿食えば〜』ぐらいしか思い浮かばない不心得者でした(汗)。本書に載っている句は子規のイメージを覆すような可笑しさ、可愛さなどがうかがえる楽しい作品が多いです。子規にかかれば蛙も蚊も、虱さえも季節の風物詩として生かされ、どこか愛着も湧いてきます。さすが上手いなぁと思います。

2015/01/11

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