さみしいときは青青青青青青青 ――少年少女のための作品集 (ちくま文庫 て-6-4)
さみしいときは青青青青青青青 ――少年少女のための作品集 (ちくま文庫 て-6-4) / 感想・レビュー
ハルト
読了:◎ 青に染まる青春。寂しいときに、身に沁みこんでくるような物語たち。少年と少女は、澄んだ空の青に飲みこまれそうになりながら、物語を漂う。幾つになっても寺山修司はいいなと思わせられる。青春と郷愁、清純で隠微さが同時に入り混じっていて、手のひらの中に、星のような思慕の輝きを落としていく。世界は広大で狭く残酷で、呪縛のような祝福を与える。愛への反逆が波のように押し寄せてくる。ひそやかな毒のあるような清廉さが心惹きつける。それは青春時代に、大人の世界が持つ毒に慣れるための毒見のようなものなのかも知れない。
2023/12/31
真琴
★★★★☆ 青春って、甘酸っぱくって、切なくって、恥ずかしくって、ちょっと滑稽。寺山修司の言葉に「少年・少女」時代に出会っていたら、感性の豊かな人間になれていたと思う。今の若い方にも寺山さんの作品を読んで欲しいな。 ちょうど今、香取慎吾主演で「テラヤマ・キャバレー」が上演されることを知り、興奮しています。 美輪明宏さん主演の「毛皮のマリー」が寺山作品との出会いです。再演、しないかな・・・。
2023/10/29
はるぴ@ありがたきハピネス
タイトルに惹かれて書店で手に取った。没後40年ということで、新刊が出たらしい。すばらしかった!角川から出ている「少女詩集」が好きで読んでいたけど、こちらもいい。詩もいいけど、掌編がまた刺さる。ロマンチックでかわいらしい。かわいらしいのに、毒がある。初恋みたいにきゅんとしてメルヘンチックでメランコリック。なんだろう、写真で見ると寺山修司さんはおじさんに見えるのに、こんな潔癖な少女性をひそませているなんて……。巻末を見ると、掌編は「メルヘン全集」から採っているようで、もっと読みたいな、えー、絶版ですか……。
2023/12/15
咲
「さみしいときは 青 という字を書いていると落着くのです 青青青青青青青青青 青青青青青青青青青」寺山修司の詩は、1個1個書き写すのが楽しい。「青」を、書いて書いて書いていく。わたしの「さみしい」は、いったいいくつの「青」で満たされるのかしらって、探る。この人は、自分のさみしさと折り合いをつけるのに、「青」を、「さよなら」を、「海」を、「少女」を、「詩」を、「世界」を、必要としたんだねって、なんだか、とっても、わかってくる気がする。寺山修司の本を蒐集してしまう癖がある。解説が幾原邦彦なら、なおさらに。
2023/11/19
夜舟
寺山修司記念館へ行くので読んだ 「小指がいないとさみしいものだ 役に立たないものは 愛するほかはないものだから」
2023/11/04
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