人はアンドロイドになるために (単行本)
人はアンドロイドになるために (単行本) / 感想・レビュー
Mumiu
人間とは何か、人間はどこへいくのだろう?それを常に考え続けた石黒教授。人の動作と放たれる言葉のタイミング、人の形を再現するアンドロイド。人とは何かという命題にがっぷり四つに取り組んだ実践と理論。テレビで放映された「最後の講義」と合わせて触れると一層わかりやすい。
2017/07/30
kao
ロボット学者の予想する未来のプロット。残りの研究できる期間も考慮し、この小説も実験の一つ、と言う石黒教授のあとがきが興味深い。石黒教授亡き後も、石黒教授のジェミノイドが石黒教授として生き続けるのか、技術がどこまで追いつけるのか。しかし、自分は生身で生きて死にたいなー笑
2017/08/05
himawarisun6
前作「アンドロイドは人間になれるか」を小説風にした作品。 技術の進歩は人間の定義を変えた。機械が意思を持って(見え)れば人間か? 他者の意思の存在は行動から判断するしかない以上その定義は主観に左右される。人間とそれ以外との境界が実は曖昧だと気づかされた。 結局、人間の最大の興味対象は人間である。アンドロイド研究を追求することで”人間との違い=人間らしさ”がわかるのかもしれない。 前作を読むと登場するロボットがイメージできてより面白い。
2017/04/27
林克也
「人はアンドロイドになるために」の後にどのような言葉を当てはめるのか、読者一人ひとりが考えてみよ、というのが本書のひとつの目的だろう。石黒教授は、アンドロイド時代の政治(主として裏面の)をどう考えるのか。今現実に世界を支配している兵器産業の連中がアンドロイド産業を生業とするだけではないのかと、私は思う。“ホンダは人間型ロボット「アシモ」をつくっていいかどうか、バチカンにおうかがいを立てに行っている。”とあったが、いずれにしても人間が持つ宗教感覚とアンドロイドとの折り合いが大きな問題になってくると思う。
2017/08/20
貧家ピー
問題発見型の研究の一つとして、執筆した小説。短編5編。 前半は、ジェミノイド・テレノイドの研究著書で読んできた内容がそのまま小説になった感じ。 ブレインアップロードされたアンドロイドが普及した時の自我は?身体的拡張はどこまで?など、想像・思考を試される内容だった。
2020/06/27
感想・レビューをもっと見る