女子力革命
「女子力革命」のおすすめレビュー
結婚はどうする?子どもはほしい? 長寿社会における「女子力」を改めて考えてみる……
『女子力革命』(萱野稔人:編/東京書籍)
若者を見る大人たちの目は厳しいものがあります。若者は未熟で何もわかっていない、と大人は思っているのです。「今どきの若者は」というセリフは大人の口癖ですが、これは古代ギリシア時代から続いている伝統的な言い回しのようです。本記事で紹介する『女子力革命』(萱野稔人:編/東京書籍)は、そういう「今どきの」若者たちによって書かれています。津田塾大学の3年生たちによるゼミナールでの研究から始まった考察がまとめられているのです。
本書の記述で面白いところは、文章の端々に個人的な経験が織り込まれている点。恋愛関係や友人関係、また過去に経験した不愉快な思いも、素直に告白されています。客観的な事実を積み重ねるだけではなく、それを自分の問題として捉えている姿勢は、読み手の心に素直に伝わり好感が持てます。そして、その経験が若さを持ったポジティブな表現で記述されているのです。
本書のテーマは「女子力」です。巷で語られる女子力は、女性であることを最大限に利用する力のことを指しているように聞こえます。辛口な表現をすれば、いかに女であ…
2019/1/2
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女子力革命 / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
図書館でこの本の題名を目にした時、「またか」と思った。ぱらぱらと捲ると「若い時と中年期の卵子の数の違い」などが出てきて正直、ゲンナリとすることも。だから借りた時も「一般で言われている可愛く、(悪く、言えば)男のドリームに叶った”女子力”ならぶっ飛ばすからな!」というやっかみだった。ところがこの本での「女子力」は人生100年時代を事実を把握しながらどう、柔軟に生きていくかだった。そして書き手も女子だから、最貧困女子や更年期障害、おひとり様問題などのゲンナリした事も感情的にならずにすんなり、読むことができた。
2018/10/04
akiᵕ̈*
人生100年時代と言われるようになった今、“本当に女子力が必要になるのは60歳を超えてからでは”との意見があるそうで、まだまだ人生これからではないか♩と思う反面、そこには健康な体があってこそ。本書は身体、結婚、労働の3つのテーマに分かれていて、執筆はすべて津田塾大学の萱野ゼミの学生さんの考察から成り立っているというのが見所。恋愛や結婚、出産、働き方が多様化になって、平均寿命の延びがもたらす変化に自分がどう対応していくか、様々な事例・症例による実情が参考になります。
2020/08/17
ふ~@豆板醤
2、本が好き!献本。「女子力」というキーワードから、女性の働き方やライフプランについて様々なテーマについて考察した本。女性の社会進出や晩婚化など女性を取り巻く環境の変化によりライフスタイルの多様化が進んでいるという現状、生き抜く術を自ら取捨選択していく必要性、など様々な現実に向き合うのに丁度よさそう。改めて、自分はどう生きたいのか、そのためにはどうすべきなのかと考えるいいきっかけになるかも。「今思い描いていることが、これからのあなたをつくる」
2018/11/26
べる
「おひとりさま」が増加して2050年時点で50歳未婚率は24.7%と予測されている時代であるが、幸せな人生を送るためには仕事とプライベートの両方の充実が不可欠だと改めて思った。好きなこと、やりたいことを欲張りにできる女性でありたい。恋をしたり人を愛することができる人は、生きるということに対しても非常に前向きで積極的である。若さを失わない秘訣は何よりも恋することだ。相手が必要なことだから望み通りにはいかないかもしれないけど出産は最低でも45歳までにしたい。卵子凍結など医療技術を活用しておく手もあると学んだ。
2023/10/09
K
(2018,367.1)萱野ゼミ女子学生の論文等。ウザイ彼氏の話や、全能感あふれる威勢の良い語り口など、自分の学生時代の国語表現論みたい。萱野さんはjam the worldのころから「恋愛(結婚)は市場と同じ、強者だけが勝てる場」と、主張は一貫している。当時はトランスジェンダーが女子大に来たらどうするの話もしていた。今津田塾はどうなのか。学生らの「同性愛は是、近親相姦・多重恋愛は否」という矛盾を、哲学問答で切り崩していく萱野イズムにしびれた。彼女らはどうやって選ばれたのかな。彼女らの10年後が見たい。
2021/01/12
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