写本室(スクリプトリウム)の迷宮 (創元推理文庫)
写本室(スクリプトリウム)の迷宮 (創元推理文庫) / 感想・レビュー
miroku
幾重にも織り込まれたタペストリの如き物語。なんとも贅沢だ。
2012/06/09
ともり
チューリッヒの画廊で出会った絵画と、その絵を描いた日本人画家の遺した手記。手記には画家が体験した殺人事件と読者となるであろう人物への挑戦状が記されていた。明らかに私好みのストーリーで、事実本格推理小説のガジェット満載で途中まで楽しかったのですが、作中作のトリックが解明されたあたりからあらら?と。なんか思ってたのと違って肩透かしでした。とくにラスト。もっとロマン溢れる理由で画家は手記を託したのだと思っていたのですが、、。後編があるらしいですが、賞に応募する作品として後編ありきなのはどうなんでしょう。
2018/09/05
OZ
三重構造ので成り立っている本。一つ一つは楽しいけれど、その繋がりが理解しづらかった。・・・それは私の頭だからかもしれないケド。
2020/01/29
みっつ
第12回鮎川哲也賞受賞作。「こんなラストをデビュー作で書いちゃって良いの?」と思ってしまう大胆過ぎる趣向の作品。入れ子構造の構成になっており、手記で語られる世界大戦直後のドイツを舞台にした吹雪の山荘でのミステリーマニアによる推理合戦(お題のタイトルは「イギリス靴の謎」とこれまた大胆)を読む推理作家による現代パート。全体的に散りばめられたペダンチックは良い感じながら、それらが大爆発する終盤の展開には着いて行けず。一人旅具合は流水御大を思い出したよ。
2010/08/01
やまだん
本格ミステリ好きにはたまらない要素がてんこ盛りの作品。イギリスの豪邸に訪れる二人の日本人。作中作「イギリス靴の謎」をテーマとした推理合戦。そして,推理合戦の最中に生じる殺人事件。主人公は,大学教授にして推理作家の富井教授。富井教授が,チューリッヒの画廊で,著名な日本人画家星野の作品に出会い,画廊の主人から託された手記を読み,その謎に挑む。よくできた作品と思えるのだが,個人的にそこまで入り込めなかった。好きでもなく,嫌いでもないのだが,よくできた作品だと思う。そういう作品。
2015/10/12
感想・レビューをもっと見る