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銀の仮面 (創元推理文庫)

銀の仮面 (創元推理文庫)

銀の仮面 (創元推理文庫)

作家
ヒュー・ウォルポール
倉阪鬼一郎
出版社
東京創元社
発売日
2019-12-20
ISBN
9784488558031
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銀の仮面 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

大都会を“アスファルト・ジャングル”とはよく言うが、本当に獣が闊歩しているのを見る人は珍しい。そのうちの一人がイギリス人のホーマーだった。  伏線はあった。道に迷い、暗闇から二つの眼を光らせた虎に睨まれた夢を見たのだ。ところがその夢は三日経つと忘れてしまう。NYに行ったホーマーは大都会にも慣れ友人もでき、順調に暮らしていた。ところがある時黒人に追い越された事がきっかけで、再び虎の夢を見るようになってしまった。今度は何日経とうが虎は記憶から去ってくれない。次第に心身に異常をきたしたホーマーは…。

2020/04/01

かわうそ

有名な表題作を筆頭になんとなく厭な感じがじわじわと日常を浸食し、それに伴って心の歪みが少しずつ大きくなっていく描写が素晴らしい。意外な方向にオチがつく話も多くて面白かった。お気に入りは「銀の仮面」「敵」「トーランド家の長老」あたり。

2020/01/25

あたびー

#日本怪奇幻想読者クラブ 筆者の作品をまとめて読んだのは初めて。特に表題作「銀の仮面」は初読だったので衝撃を受けた。厭な話!小金持ちの老女はひょんなことから(あるいは狙われていて)美青年に情けをかけ、それをとば口に彼の一族に生活のすべてを蝕まれる。彼女の気の弱さ、世間体を気にする見栄、当初男の見てくれに惹かれたという負い目が、奴らを追い出すことを不可能にする。何と言う冷徹な人間観察眼だろう。しかし読み進めていくと更にウォルポールの様々な切片を目の当たりにすることに。

2020/03/27

くさてる

まさに「奇妙な味」というか、読後にそわそわとして落ち着かなくなるような、人間心理の綾を掬い取ったような短編が多い。いわゆる「厭な話」とニアミスするけれど、それだけではないような、本当に、人間ってそんなことしてしまうよね、と思うような、でも奇妙な話。書籍でも読んでいたのですが、文庫版に追加された2編が同じクリスマス話ながら、真逆の二作で、どちらもとても良かったです。読み応えのある短編集です。

2020/03/04

花林糖

短編13話。江戸川乱歩が「奇妙な味」の作品と呼ぶ有名な作品「銀の仮面」は寄生虫の様な一族に母屋を徐々に乗っ取られる話でインパクト強すぎでした。「敵」「トーランド家の家老」「奇術師」「中国の馬」「雪」がお気に入り。(GWだよ全員集合!奇妙な味海外読書会’22)

2022/05/08

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