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テヘランでロリータを読む(新装版)

テヘランでロリータを読む(新装版)

テヘランでロリータを読む(新装版)

作家
アーザル・ナフィーシー
市川 恵里
出版社
白水社
発売日
2017-01-07
ISBN
9784560095379
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テヘランでロリータを読む(新装版) / 感想・レビュー

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てつや

アメリカから祖国イランに戻った女性英文学者が綴ったノンフィクション。時はイラン革命後の混沌とした国。 英米文化への迫害、どんどん制限される女性の権利。 増加する検閲、逮捕拘束、公開処刑。 そんな過酷な状況のなかで、女子学生を集めて英米文学の秘密の読書会を開いた著者が経験したものが描かれていく。  私たちの国が、こうならない保証はあるのだろうか。 私たちには何ができるのだろう? 答えの出ない問いが、頭の中をグルングルンと回ってしまいます。 ぜひ、ご一読を!

2017/01/27

まこ

本を読んでいると現実を忘れさせてくれる一方、自分の現状と登場人物を比べて考える。イランでの圧制や弾圧に対して著者や生徒たちは、西洋文学から共通点やあこがれを見出す。著者の周りで起こる出来事や情勢から経験したうえでの作家や作品論が語られる。ギャッツビーやボヴァリー夫人が悪い人物とみなすのは面白い議論が起こりそう。

2021/04/24

秋良

自由を奪われること、言いたいことを言えないこと、女性だからというだけで規制されること、そもそも自分が奪われていることに気づかないこと、何て息苦しい。でも命が奪われることはなくても、社会的な抑圧というものは日本にもあって、彼女たちの不満は私にとってはどこか身近な感情でもある。そして日本では、抑圧の空気は社会レベルではなく個人レベルの問題に引き下げられている分、声を上げて抗議しづらい、できないものになってしまっている気がする。

2018/02/25

綿

筆者の読みを知るだけでも知的好奇心が満たされる読書だけど、ロリータをテヘランで読むことに切実な意味が生まれるように、ある状況のある立場におかれた人がそこから物語を捉えることによる読みのひらかれ方、可能性の提示の話でもある。導かれる回答はひとつじゃない。今までは物語において、登場人物の性質についてのみ取り上げて好きだ嫌いだと判断しがちだったけれど、その人物の性質が作中でどのように作用しているのか、誰から誰の、どのような視点により登場人物が形づくられ、読者に手渡されているか、についても注意深くありたい。

2017/06/26

おでんのたまご

登場する小説はほとんど読んだことがなかったので、主な作品を読みながら、少しずつ読み進めていった。激動のイランで翻弄される女たち。支配されているが故にそのことばかりに囚われ、見失いそうになる彼女たちのアイデンティティを支えてくれたのが小説だったのだと思う。そんな彼女たちの秘密の授業は深く濃密で、私にはなかった視点を与えてくれた。でもダーシーに夢中になるような気持ちは同じでなんとなく嬉しい気持ちになる。登場する小説を読んでから、もう一度読みかえそうと思う。

2021/05/06

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