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心臓の王国

心臓の王国

心臓の王国

作家
竹宮ゆゆこ
出版社
PHP研究所
発売日
2023-07-20
ISBN
9784569855059
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「心臓の王国」のおすすめレビュー

「別れるときにつらいから、仲良くなり過ぎない」相手と特別な友情を築く物語…かと思ったら。想像を絶する展開が待ち受ける青春劇

『心臓の王国』(竹宮ゆゆこ/PHP研究所)

「(すぐにいなくなるとわかっている相手とは)別れるときにつらいから、仲良くなり過ぎない方がいい」。そう告げた兄に、心臓に病を抱えた幼い妹は答える。「あー、そうか。だから、うーちゃんにはお友達ができないんだね」。竹宮ゆゆこ氏の小説『心臓の王国』(PHP研究所)で書かれたこのセリフに、胸を衝かれた。なんて、残酷なんだろう。だけど世の中にはきっと、そういう理不尽な諦めがちりばめられている。

 主人公の鬼島鋼太郎は17歳。青春まっさかりのはずなのに、放課後は毎日病院へ行き、妹・うーちゃんと遊ぶことを優先していて、その事情を誰にも内緒にしている。かわいそうな奴だと思われたくないから、本当の自分を必死で隠して、学校生活の平穏を守ることに尽力している。秘密を知っているのは、ガリ勉クソ女とあだ名されるクラスメートの千葉巴だけ。同じ病院に母親が長期入院している彼女もまた、誰にも同情なんてされたくない、助けてあげたいなんて思われたくないと、虚勢を張って生きていた。そんな2人の前に現れるのが、アストラル神威という奇妙な名前の、そ…

2023/6/28

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心臓の王国 / 感想・レビュー

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夢追人009

最後の最後まで予測不能で二転三転する500頁超の喜怒哀楽の全ての感情が大爆発する読書人必読の大問題作ですね。17歳の高校生・鋼太郎と不思議な留学生の青年・アストラル神威とのお馬鹿でハチャメチャな「せいしゅん」ストーリー。だが心臓に難病を抱える妹うーちゃんの事情をクラス仲間に隠す鋼太郎と同じ悩みを持つクラスの嫌われ者女子との淡い恋物語から中盤でクラス全員が熱く燃える青春の大文化祭で大盛上がりで沸騰します。そして遂に明かされる神威の驚くべき正体のダークファンタジー的クライマックス!でもさらに興奮は続くのです。

2023/07/16

はにこ

何か凄い作品だったな。不穏なプロローグから一転、少年達の青春を描く。下らないことで笑い、家族のことで悩み、その姿が眩しい。鋼太郎の心の吐露が生々しい。そんな青春ストーリーで話が続くのに段々と怪しい方向へ。そしてプロローグの意味を知る。こんなのには勝てないのかと諦めていたらまさかのだーいどんでん返し!面白かった。

2023/09/17

machi☺︎︎゛

最初2.3ページ読んでファンタジー⁇と思いながら進めると前半はある男子学生のセイシュンがしたい小説だった。アストラル神威は17歳という特別な歳にどうしてもセイシュンがしたかった。その相手に選ばれたのは鬼島鋼太郎。その2人を中心としたキラキラしたセイシュン生活。前半はクスッと笑える所もあり男子のセイシュンっていいなーと思いながら楽しく読めた。だけど後半!最後まで読むと最初の2.3ページがどれほど恐ろしい事が書かれていたのかと震えた。これは間違いなく今年のベスト本の中に入る。

2023/10/08

美紀ちゃん

竹宮ゆゆこさんの「とらドラ!」が大好き。オープニング「約束のネバーランド」みたいだと思ったがラストの小間田さんの話を聞いて、カズオ・イシグロさんの「わたしを離さないで」に似てると思った。メメント・モリ→「死を意識することで今を大切に生きることができる」処刑という名のハグ。ベアハッグ。愛情ってそういうことで伝わる。担任の駒田先生がいい人。ありがたい。文化祭は大成功。巴の勇気ある発言がgood。怪しい宗教団体!臓器売買組織に臓器としての子供を売る。想像以上に壮大なストーリーだった。結果オーライ!しゅぽっ!

2023/08/20

ゆのん

『せいしゅんがしたい』と付き纏う謎の少年・神威。始めはうんざりしながらも徐々に心を開いていく鋼太郎。2人の青春小説かと思う程にアホで可愛くてキラキラしている物語は後半でその姿を変える。実はものすごく重いテーマがあるのだが、泣いて、泣いて、とにかく泣かされる。今までの分も取り戻すように幸せになって欲しい、2人に一緒に居て欲しいと祈る様な気持ちになる。喜怒哀楽の全ての感情を感じる物語だった。

2023/07/09

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