「今」を掴んだという感覚、掴みたくて必死に手を伸ばす感覚は、演劇だからこそ表現できた。【竹宮ゆゆこインタビュー】
アニメ化もされた『とらドラ!』『ゴールデンタイム』を代表作に持ち、ライトノベルの領域で作家としてキャリアを開始した竹宮ゆゆこ。一般文芸に進出後も、異色の「ボーイ・ミーツ・(エキセントリック)ガール」の恋物語を書き継いできたが……最新作『いいからしばらく黙ってろ!』は様子が違う。「ガール・ミーツ・(エキセントリック)劇団」の物語なのだ。
竹宮ゆゆこ たけみや・ゆゆこ●1978年、東京都生まれ。2004年、『うさぎホームシック』でデビューしライトノベルで活躍。著書に『わたしたちの田村くん』『とらドラ!』『ゴールデンタイム』。14年から一般文芸に進出。『知らない映画のサントラを聴く』『砕け散るところを見せてあげる』『あなたはここで、息ができるの?』など。
「一番最初にあったのは、『普段はぱっとしないけどカオスでだけは輝ける、カオスでだけは潜在能力を発揮できる、そういう主人公を描きたい』。でも、カオスってどこにあるんだろう? 担当さんたちと相談しつつ候補に上がったのは、災害派遣の現場とか、連載を抱えたマンガ家とか、アニメスタジオとか、レスト…