プリンス (PHP文芸文庫)
プリンス (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
タルシル📖ヨムノスキー
参考資料から察するにミャンマーと、1980年代のフィリピンをモデルにした東南アジアの小国・メコン共和国が舞台の政治小説。テーマは民主主義とは何か。単なる国内の権力闘争に留まらず、希少価値の高い鉱山資源を獲得しようとする米英中などの水面下の争いは実に醜いというか、そんな大国の思惑に振り回される小国の辛さを思い知らされました。日本人の大学生の渉は、民主主義の大切さを唱えるも、現地に足を踏み入れて自分の考えの甘さを思い知らされる。最後は希望を感じさせる終わり方だったけれど、大国がこのまま引き下がるとは思えない。
2024/04/27
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