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悲鳴だけ聞こえない

悲鳴だけ聞こえない

悲鳴だけ聞こえない

作家
織守きょうや
出版社
双葉社
発売日
2022-09-15
ISBN
9784575245615
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「悲鳴だけ聞こえない」のおすすめレビュー

打ち子詐欺、こじれた親子関係と遺言状の執行…新米弁護士が難儀な依頼を解決! 『花束は毒』の作者によるリーガルミステリ最新!

『悲鳴だけ聞こえない』(織守きょうや/双葉社)

 リーガルミステリというジャンルをご存じだろうか?「リーガル=法律」が事件解決の鍵になるミステリ作品のことで、活躍するのも警察官や刑事ではなく弁護士や検事など法曹界の人物。ちょっと堅そう?――そんなイメージがある方には、『花束は毒』(文藝春秋)で大きな注目を集めたミステリ作家・織守きょうやさんの新作『悲鳴だけ聞こえない』(双葉社)をおすすめしたい。

 実は織守さんは元弁護士という異色のキャリアの持ち主で、いわゆる「街場」の弁護士が活躍する連作短編集なのだが、ここまでのリアリティと現場の体温が書けるのは、リアルを知っている者だからこそだろう。読み心地も実にさわやかな、心あたたまるヒューマン・ミステリとなっている。

 主人公は新米弁護士の木村。事務所の先輩である敏腕弁護士・高塚と共にさまざまな依頼に対応する日々を送っている。ある日、そんな2人のもとに寄せられたのは、顧問先企業の社長からの「パワハラ調査」の依頼。働きやすい職場を目指してがんばってきたのに、パワハラを訴える投書が寄せられひどくショックを受けている…

2022/9/22

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悲鳴だけ聞こえない / 感想・レビュー

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starbro

以前から気になっていた織守 きょうや、初読です。 タイトルからホラーっぽい内容かと思いきや、弁護士お仕事小説、連作短編集でした。オススメは、『上代礼司は鈴の音を胸に抱く』です。 著者の他の作品も読んでみようと思います。 https://www.futabasha.co.jp/book/97845752456150000000?type=1

2022/11/04

パトラッシュ

庶民の生活に法律が介入すると、どうしても無味乾燥な条文と渦巻く感情の間に齟齬や反発が生まれる。そこで双方納得する落としどころを探るのが民事弁護士の仕事であり、法と現実が衝突して発生する聞こえない悲鳴を聞き取らねばならない。新人弁護士の木村は悲鳴聞き取りのプロである先輩の高塚のやり方を間近に見て、合法の範囲内で巧みに解決する技術を学び取っていく。パワハラ、詐欺、相続、破産など誰にでも起こる事態に対し、依頼人の利益を尊重しながら揉め事なく収める手腕は人の心を熟知するからだ。むしろ真の主人公は高塚かもしれない。

2022/11/01

タイ子

木村&高塚弁護士シリーズ第3弾。前2作のような濃いミステリではないので物足りなさも覚えながら次第に面白くなってくる。新人の木村弁護士の自信のなさを高塚弁護士がカッコよくサポートしていくのは相変わらずだが、少しづつ成長を見せる木村の姿が頼もしく見えてき始めた。弁護士に依頼する5件の案件。会社の上司によるパワハラ、弁護士の名刺を使った詐欺事件、遺言状に対する家族の言い分など。どれも珍しくない案件だけに興味深い。弁護士たちが鮮やかに解き明かす結末にスッキリ。まだ続いて欲しいシリーズ。

2023/04/10

ma-bo

新米弁護士木村と先輩弁護士高塚シリーズ第3弾。最初は短編集、2作目は長編。そして今回はまた短編に。会社内パワハラ、遺言状、自己破産、遺産相続等の相談。一生懸命だが依頼者に寄り添いすぎるきらいのある木村に、冷静な先輩高塚がサポート&アドバイス。作者の織守きょうやさんは女性だったんですね。

2023/02/09

美紀ちゃん

連作短編集。 弁護士案件の短編が、5つ。 ラストの「上代礼司は、」がとても感動した。 みんないい人で、良かった。 美しいお姉さんに再会できて、良かった。 織守きょうやさんとても良い。 「花束は毒」も「ただし、無音」「学園の魔王様」も好き。

2022/11/11

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