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27000冊ガーデン

27000冊ガーデン

27000冊ガーデン

作家
大崎梢
出版社
双葉社
発売日
2023-04-19
ISBN
9784575246223
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「27000冊ガーデン」のおすすめレビュー

書店員と司書が名探偵コンビに!? 出版物への愛がにじみ出す連作ミステリー小説『27000冊ガーデン』

『27000冊ガーデン』(大崎梢/双葉社)

 元書店員の経験を生かして書いた書店ミステリ『配達あかずきん』で作家デビューした大崎梢さん。同作から連なる「成風堂書店事件メモ」シリーズだけでなく、出版社の営業や編集者などを主人公に描きだした作品は、行間のはしばしから、本(出版物)そのものへの愛が滲みだしている。このたび刊行された『27000冊ガーデン』(双葉社)も同じだ。

 高校で司書をつとめる駒子のもとに、生徒からもちこまれる本にまつわる謎を、出入りの業者である書店員の針谷とともに解決していく連作短編集で、読んでいると、学生時代にどんなにつまらなくてしんどい現実が待ち構えていようと、本を読んでいるあいだだけは心を逃がすことができて、今日をふんばることができていた日々が、古本のにおいとともに思い出されて胸がきゅっとなる。

 転落事故死の現場で人が争う声を聞き、その場に借りていた図書室の本を落としてしまったために、犯人に狙われているのではないかと怯える生徒。施錠された深夜の図書室で荒らされたディスプレイと、10年ほど前にも起きていた密室内での奇妙な事件との…

2023/4/19

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27000冊ガーデン / 感想・レビュー

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夢追人009

県立高校で働く図書館司書・星川駒子が出入りの書店員・針谷敬斗の鋭い推理の力を借りて高校生達の相談に潜む日常の謎を解明する推理の面白さと、より良い人間関係の向上を実感できる学校図書館ミステリーの秀作ですね。本書では凶悪な犯罪事件ではなく学校生活の中で起きる些細ながら見過ごしにはできないテーマに関する事件が巧みに描かれ著者の並々ならぬ情熱に感心しましたね。全5話は単独の話ですが読み進める内に内容が深まってさらに面白さが倍増するように思えました。本書で取り上げられる実際の名作本に読書意欲をかきたてられましたね。

2023/05/18

ウッディ

学校司書の駒子が、本を納入する書店員の針谷の助けを借りて、県立高校の図書室で起こる謎や事件を解決する短編集。教師とは違う立場で生徒たちと関わり、図書室を魅力的な場所にし、読書の楽しみを知ってもらうという司書の大変さとやりがい、読書は勉強の邪魔だという進学校の方針と理想とのギャップなど学校司書の仕事が良くわかりました。辛い時は一時的でも本の中に広がる無限の世界に逃げ込めば良い、そんな優しい避難場所の管理人が学校司書なのかもしれない。好きな小説の名前もたくさん出てきて、ほっこりする一冊でした。

2023/11/29

ちいこ

初読みの作家さん。久しぶりにこの手のミステリーを読みました。面白かった。また読めたらいいな。

2023/06/05

はにこ

何かで紹介されていて気になった本。司書の駒子が出入りの本屋針谷と謎を解く話。登場人物のキャラにあんまり魅力を感じなかったけど、設定は面白い。学校の図書館で働く人の気持ちを考えられて良かった。本は昔から好きだけど学生時代に図書館にあんまり行ってなかったので、もっと通えば良かった、図書委員やってみたかったと思った。知っている本が沢山出てきて作者の本に対する愛情を感じられた。

2023/08/11

美紀ちゃん

神奈川県立高校の学校司書の話で、とても共感。5つの連作短編集。登場する本がたくさん出てくる。どれも興味ある本。例えば「十二番目の天使」「34丁目の奇跡」や、「夜明けのすべて」瀬尾まいこ「雲を紡ぐ」伊吹勇喜「蜜蜂と遠雷」恩田陸「くちびるに歌を」中田永一など。「息子に夢中」中島梓、春雨メニューの本。栗本薫⇔中島梓、別名義を持つ作家。すごい。ワクワクする。27000冊というのは高校の図書館が所蔵する平均冊数。5作とも本が絡んでいて面白かった。1つめの「放課後リーディング」とラストの「空を見上げて」が好き。

2023/05/23

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