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ひとっこひとり

ひとっこひとり

ひとっこひとり

作家
東直子
出版社
双葉社
発売日
2023-07-26
ISBN
9784575246520
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ひとっこひとり / 感想・レビュー

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いつでも母さん

生きているといろんなことがあって、思い悩んだり、地団太踏んだり、まぁほんとに・・だけど、たいしたことはないんだって。そんな気持にさせられる短編12話。東さんの作品はなぜかそこだけ空気が違うと言うか、温度が違うと感じる。今回もそうだ(そう感じるのは私だけかな?)装画や挿絵がそこはかとなくしっくりくるし、タイトルもまたストンと腑に落ちる感じ。それが私の感じる東さん。

2023/10/09

ちょろこ

12の小さな時間の物語の一冊。想像よりもちょっとシビアな暗さを纏った感じだった。まさに日陰でひとり膝をかかえているような小さな時間。その時間をごくありふれた言葉と共に描いた小さなドラマって感じかな。そのありふれた言葉たちがいつも以上にパワーを持ってキラキラと陽の光のようにひとりの心を包み込んでいく感じが良かった。日陰から日向へ…日向なら膝をかかえていてもどこか希望を感じられる。そこからゆっくり…ね。そんな優しい導きとささやきが聴こえそう。一人、独りじゃない。ひらがなの"ひとり"の優しく柔らかい表現も良い。

2023/12/06

シナモン

人と人をつなぐのにやっぱり言葉は大切。淡々としたなかに切なさ、哀しさ、穏やかさ、温かさ、いろんな感情がつまった短編集でした。ふわふわしててなんとなくとらえどころのない感じの絵も素敵。

2023/12/15

ままこ

不安や孤独を抱え、普通ではないと自覚する人たちの心の機微を描いた12編の物語。良かったのは、父親と娘のやりとりが微笑ましい「もういいよ」、偶然の出会いが心を解き放つ「つれていって」、お人形と話すおばあさん「話して下さい」が心に残る。“ひとこと”に込められた想いが共鳴し、全てが解決とはいかないけど、踏み出した先を照らしてくれる。ひとりひとりに寄り添うちょっと不思議な三好さんの装画も作品にぴったり。切なさの中に温かさが沁みる読後感。

2023/11/23

nico🐬波待ち中

人と人とが普段何気なく交わす言葉がタイトルの短編集。「大丈夫」「ごめん」「覚えてる?」…これらのタイトルはとてもシンプルな言葉だけれど、見ただけでその背景がなんとなく伝わってくるから不思議。これらの言葉は一人よりも、対話する相手がいるからこそ生まれる言葉だと思う。そんな短編集の表題が『ひとっこひとり』。「ひとっこひとりいない」から「いない」をあえて失くすことに、東さんは意味を持たせているのかも。登場人物ひとりひとりが抱える寂しい想いを優しく丁寧に掬い取った短編集だった。三好愛さんのイラストにもほっこり。

2023/10/15

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