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月光果樹園: 美味なる幻想文学案内

月光果樹園: 美味なる幻想文学案内

月光果樹園: 美味なる幻想文学案内

作家
高原英理
出版社
平凡社
発売日
2008-05-01
ISBN
9784582833980
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月光果樹園: 美味なる幻想文学案内 / 感想・レビュー

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踊る猫

徒手空拳、という言葉がしっくり来るように思われる。既存の批評家が描いた図式に寄り掛かるのではなく、自分の頭で考えた理論の枠組みで作家を批評していく。その生真面目/生硬な姿勢は買いたい。中井英夫や稲垣足穂を読みたくさせられた。悪く言えばその分論理の遊び/遊戯が足りないとも言える。ぶっ飛んでいないのだ。その意味で、小説仕立ての批評文は著者のリリカルな持ち味が出ていてとても好ましく思われた。この書き手の小説を読んでみたい……そう思わせられたのである。何処か橋本治にも似た資質を感じたのだけれど、私だけなのだろうか

2019/08/01

不在証明

高原英理さんの評論は相も変わらず解り易い。坂口安吾論が良かった。安吾では堕落論や白痴が好きで、桜の森の満開の下を読んだ時はうーん…?これは…女の人が…。と微妙な感じだった。そのうまく説明できない何かを著者は言葉で明確に表している。いたく納得できた。そして今回は異常なほどのタルホ愛が伝わってくる。

2015/02/07

he

月の光で生った果実は甘すぎた。幻想嗜好の甘味だけを抽出したかのような語り口はその心地よさがむしろむず痒い。なかでも足穂評は思いひとしおといった勢いだが、幾分借り物の言葉が目立ち、どこか精彩を欠くところも少なくはない。批評家ではなく敢えて憧憬者の立場を取ったのだろうか。逆に、澁澤龍彦という薄雲のような人物像をうんちく混じりにてきぱきと解剖していく様は見事。また、私は女流については全くの無教養だが、幻想文学者に男も女もないというくだりは歯切れがよくて気に入った。

2014/06/30

高原英理の稲垣足穂スキーがよく分かった(終わり)

2012/08/30

katta

☆☆☆ 幻想小説家にして評論家の著者が「憧憬」をキーワードに作家それぞれの作品を論じていく。取り上げた作家の数が多くて少々散漫な感じがした。でも読んでいない作家を追いかけたくなる。

2009/02/22

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