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夜が暗いとはかぎらない

夜が暗いとはかぎらない

夜が暗いとはかぎらない

作家
寺地はるな
出版社
ポプラ社
発売日
2019-04-11
ISBN
9784591162743
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夜が暗いとはかぎらない / 感想・レビュー

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さてさて

角度を変えながら色んな形で再登場する登場人物たち。それまでぼんやりしていた世界がどんどん色濃くなる。はっきり見えてくる。そして、街の光景さえも輝いて見えてくる。だからこそ登場人物大団円の瞬間がたまらなく愛おしく感じられるこの作品。全編に渡って散りばめられた寺地さんのハッとするような言葉の数々が次から次へと登場するなんとも贅沢なこの作品。駆け足で駆け抜けるのはもったいない、登場する人物一人ひとりの生き様、もがきながらも前を向くそんな人たちの声に耳を傾けながら一緒に歩いてみたいと感じる、寺地さんの絶品でした。

2021/09/19

kou

連作短編形式だったが、それぞれの登場人物達の人生や生活が垣間見れた気がして、非常に興味深く面白かった。日常的に共感できる事も多く、心に染み渡る読後感だった。特に「グラニュー糖はきらきらひかる」が心に残った。

2019/08/31

ウッディ

閉店間近のあかつきマーケットがある大阪近郊の街の住民を主人公にした連作短編集。悩みや屈託を抱えながらも、人との出会いや優しい一言で暗闇の中に光明を見出す。夜は暗いとは限らないというタイトル通りの雰囲気でした。人と人はどこかで繋がっていて、そんな繋がりがあるから新たな一歩を踏み出せるんですね。登場人物が多く、色んな話に脇役で登場するので、人物相関図があればと思いました。ゆるキャラ「あかつきん」の中に入っているのは誰なのか?考える楽しみもありました。特に「グラニュー糖はきらきらひかる」にジーンと来ました。

2019/09/08

青乃108号

ポジティブな意味に取れるタイトルと、あり得ない程ダサい装丁に、何かピンと来る物を感じて選んだ本。読み始めてすぐに、最近読んだ伊坂幸太郎のアイネクライネ~を思いだす。同じ連作短編で、かつそれぞれの独立した短編に別な話しの主役が脇役として出張ってくる、というスタイルもおなじながら、俺は完全に本作の方を支持した。どこにでもありそうなエピソードの中にホロリとさせる言葉があったり、ジーンとしびれる場面があったり。特別な事件は何も起こらないが、そこが逆に良かったりするんだな。このダサい装丁、絶対、狙ってたな。

2021/09/17

こーた

さいきんは活躍をしたスポーツ選手が、よく試合後のインタビューなんかで、感動を、とか、勇気を、などと口にするようになった。大きな災害にあったひとたちに向けて、だ。はっきり言って傲慢だとおもう。スポーツは勝つことが目標で、そのひたむきにプレーする姿にこそ、われわれは感動する。それがあべこべになって、感動させるためにやっているのかとおもうと、とたんに白ける。感動するか否かは観る側の自由だ。ひとの心のうちにまで踏みこんでくるな。感動を押しつけるな。物語だって、ひいては人生だっておなじだ。苦しいのは自分ばかりで、⇒

2020/02/11

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