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夜が暗いとはかぎらない

夜が暗いとはかぎらない

夜が暗いとはかぎらない

作家
寺地はるな
出版社
ポプラ社
発売日
2019-04-11
ISBN
9784591162743
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「夜が暗いとはかぎらない」のおすすめレビュー

「今月のプラチナ本」は、寺地はるな『夜が暗いとはかぎらない』

『夜が暗いとはかぎらない』

●あらすじ● 舞台は大阪市近郊の暁町にある、「あかつきマーケット」。閉店が決まっているにもかかわらず、マスコットキャラクターのあかつきんが突然失踪してしまう。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているらしい。次第に「しっぽを掴むと幸せになれる」という噂まで流れ始め……。表題作「夜が暗いとはかぎらない」など、暁町で暮らす人々のささやかな日常を描いた、13作からなる連作短編集。 てらち・はるな●1977年、佐賀県生まれ、大阪府在住。2014年、『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞し、デビュー。そのほかの著書に『ミナトホテルの裏庭には』『月のぶどう』『今日のハチミツ、あしたの私』『大人は泣かないと思っていた』『正しい愛と理想の息子』など。

寺地はるなポプラ社 1600円(税別) 写真=首藤幹夫

編集部寸評  

芦田さんは、不幸せやったんですか? 「あかつきん」の中の人の物語と、あかつきんとすれ違う人々のワンシーンを描いた13の掌編。大事件は起きない、だが平凡な人生の中に、どれほどの悲しみや後悔、安…

2019/6/6

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この物語のどこかに“あなた”がいる! 閉店が決まった“あかつきマーケット”のマスコットが突然失踪!?『夜が暗いとはかぎらない』

『夜が暗いとはかぎらない』(寺地はるな/ポプラ社)

 世界は自分だけのものじゃない、と初めて気づいたのはいつのことだっただろう。今でもときどき、考える。たとえば電車に乗ったとき、その場にいる全員にそれぞれの人生があるのだということ。見ず知らずの他人だけじゃない。よく知っていると思い込んでいる家族や、友達や、恋人。みんな自分とは違う視界でものを見て、似ているようで異なる価値観を携え、自分とは違う繋がりのなかで生きているのだということ。世界は今この瞬間も、輪つなぎでどんどん、広がっている。『夜が暗いとはかぎらない』(寺地はるな/ポプラ社)を読んで味わったのは、あたりまえなのにどこかなじまない、その不思議な実感だった。

 物語のダイナミックさで一気読みを余儀なくされる作品もあれば、噛みしめながらじっくり味わいたい作品もある。『夜は暗いとはかぎらない』は後者だ。10以上の店がひしめきあう「あかつきマーケット」を中心に暮らす人々を描いた連作短編集……なのだが、登場する人々がとにかく多い。

 第1話の主人公は、あかつきマーケットのキャラクター、あかつきんの考案…

2019/4/14

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『眠り姫』『ラプンツェル』…6人の女性作家が古今東西のプリンセスを描いた『リアルプリンセス』文庫版が話題に!

『リアルプリンセス』(著:寺地はるな、飛鳥井千砂、島本理生、加藤千恵、藤岡陽子、大山淳子/ポプラ社)

 2019年4月4日(木)に、6人の女性作家が集結したアンソロジー集『リアルプリンセス』(ポプラ社)の文庫版が発売された。有名な童話を現代に置き換えた物語は、「それぞれ作家さんの個性が光ってて読み応えある!」と話題になっている。

 同作は、日本や世界で語り継がれているさまざまな童話のプリンセスをモチーフにした短編集。参加しているのは、『ビオレタ』の寺地はるな、「タイニー・タイニー・ハッピー」の飛鳥井千砂、『ファーストラヴ』の島本理生、『誕生日のできごと』の加藤千恵、『てのひらの音符』の藤岡陽子、そして「猫弁」シリーズの大山淳子といった6人だ。モチーフに選ばれた童話は、『鉢かづき姫』『踊る12人のお姫様』『ラプンツェル』『エンドウ豆の上に寝たお姫様』『浦島太郎』『眠り姫』の6編。それぞれのプリンセスたちが、現代に生きる女の子として生まれ変わっている。

 単行本は2017年に発売され、「ファンタジーかと思ったら意外とリアリティがある」「幸せなお話から切な…

2019/4/13

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夜が暗いとはかぎらない / 感想・レビュー

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ウッディ

閉店間近のあかつきマーケットがある大阪近郊の街の住民を主人公にした連作短編集。悩みや屈託を抱えながらも、人との出会いや優しい一言で暗闇の中に光明を見出す。夜は暗いとは限らないというタイトル通りの雰囲気でした。人と人はどこかで繋がっていて、そんな繋がりがあるから新たな一歩を踏み出せるんですね。登場人物が多く、色んな話に脇役で登場するので、人物相関図があればと思いました。ゆるキャラ「あかつきん」の中に入っているのは誰なのか?考える楽しみもありました。特に「グラニュー糖はきらきらひかる」にジーンと来ました。

2019/09/08

kou

連作短編形式だったが、それぞれの登場人物達の人生や生活が垣間見れた気がして、非常に興味深く面白かった。日常的に共感できる事も多く、心に染み渡る読後感だった。特に「グラニュー糖はきらきらひかる」が心に残った。

2019/08/31

tenori

寺地さんの作品の中で一番好き。連作短編で登場人物がつながって、それぞれの短編でも高い完全度が感じられるし、全体としての読後感も心地よい。寺地さんの良さは日常的に誰もが抱えているジレンマを優しく包みこんでくれるようなところ。丁寧に、当たりまえにある「ちょっと面倒な日常」を慈しむように描いているし、そういう表現がとても上手な方だと思います。「夜は暗いとは限らない」タイトルも絶妙。生きていくことは楽しいことばかりではないけれども、また明日。みんな一生懸命に生きているんだよねってことを感じさせてくれる一冊。

2019/12/29

タイ子

寺地さんの作品は特別な人が登場するわけでもなく、大きな出来事が起こる事もないのに時としてハッとするような文章に心を打たれる。寂れかけた市場のマーケットにあかつきんが現れ、突然いなくなった。その後、困っている人を助ける姿が見られるようになる。その町で暮らす人々は何かと悩みがあり、一生懸命に生きているのに上手く行かない。そんな時、誰かが側にいてくれたら、背中を押してくれたら、どんなに救われるだろう。あかつきんは人助けのマスコット、だけど中に入ってる者にも悩みがある。誰かがどこかで繋がっていく優しい連作短編集。

2019/11/16

のぶ

大阪市近郊にある暁町を舞台にした、ハートフルストーリー。街に活気はなく、商店街の「あかつきマーケット」も閉店が決まっていて、唯一、着ぐるみのあかつきんが周辺を盛り立てている。そんな土地に住む人たちのふれあいを描いた連作風の物語。これといった大きな事件は何も起こらない。読み始めは掴みどころがなく、この先どうなるのか不安だったが、個性を持った登場人物の気持ちが心に沁み込んできて、読み進むにつれ楽しむ事ができた。声高な主張はないけれど、人の生活とは、また幸せとはというテーマを穏やかな文章で表現していた。

2019/05/05

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