KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

ほたるいしマジカルランド

ほたるいしマジカルランド

ほたるいしマジカルランド

作家
寺地はるな
出版社
ポプラ社
発売日
2021-02-10
ISBN
9784591169032
amazonで購入する Kindle版を購入する

「ほたるいしマジカルランド」のおすすめレビュー

働くのがつらい=生きているのがつらい。注目の作家・寺地はるな最新作『ほたるいしマジカルランド』が読者の心を照らす!

『ほたるいしマジカルランド』(寺地はるな/ポプラ社)

 寺地はるなさんの小説にはいつも、名もなき人たちの、かわりのきかない、たった一つの人生が描かれている。映画やドラマになるようなドラマティックさはなかったとしても、その人の人生においては何より切実な感情が綴られていて、その積み重ねによって、唯一無二の光がもたらされる。ああ、生きるってこういうことだ、と思う。自分のかわりなんていくらでもいるけど、自分は一人しかいないし、誰にもとってかわることなんてできないのだ、と。

 最新作『ほたるいしマジカルランド』(ポプラ社)の舞台は、大阪北部に位置する蛍石市にある「ほたるいしマジカルランド」。観覧車は「サファイアドリーム」、謎解きアトラクションは「オパールのマジカル鉱山」。市の名前にちなんでアトラクションにはすべて宝石にまつわる名前がつけられているが、実際はおそらく、家に鉱物コレクションをもつ社長の趣味。パートタイマーから社長にのぼりつめ、みずから出演したCMの影響でマジカルおばさんと呼ばれる彼女は、マジカルランド再生の立役者として知られる名物社長。その設定だけ…

2021/3/4

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

ほたるいしマジカルランド / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

さてさて

『たいていの人生は、ドラマチックではない』という私たちの人生。そんな私たちに『ひとときの夢』を見せてくれる遊園地。この作品では、遊園地の舞台裏で今日も働き続けるスタッフの人生を見ることができました。『遊園地ってなんのためにあるんやと思う?』という問いの答えを求めながら今日も私達を笑顔で迎え入れてくれる遊園地のスタッフ。夢に遊ぶかのような遊園地を舞台に、その舞台を地道に作り上げていく人達の生き様を丁寧に描いたこの作品。美しく彩られた遊園地の世界観の中に人々のささやかな人生の営みを感じた素晴らしい作品でした。

2021/12/04

kotetsupatapata

星★★★★★ 遊園地で働いている従業員にスポットを当てた今作も、悪い人は出てこず安定の読後感でした😃 登場人物みんなどこか不器用で、人との接し方や仕事へのモチベーション等悩みを抱えているけど、どこか前向きになれるヒントは、ふとしたきっかけで見えるはず そんな事を教えられた気がします。 要所でグッと心を鷲掴みにされる言葉が出てくるので、また日を置いて再読したい1冊です。 特に定年退職の日(引退ライブ💦)にサイリウム持ってメリーゴーランドに乗ってる山田さんの奥さんは最高😃⤴️⤴️

2021/05/28

ウッディ

「ほたるいしマジカルランド」という遊園地で働く人々、インフォメーションの紗英、清掃員の八重子、園芸の山田、そして名物社長の市子・・、それぞれの人生を経て、来園者に夢と笑顔をもたらす今の仕事と向き合うようになった彼らの物語。遊園地に中にあふれる光の中で、彼らが歩んできた過去がくっきりと形を持ち、痛みが懐かしさに変わっていくラストが印象的でした。「ひらパー」を想起させる設定と、社長と二人の息子、女優の幹のエピソードが中途半端だったような気がして残念だったが、遊園地に漂うノスタルジックな雰囲気が素敵だった。

2021/06/30

fwhd8325

寺地さんの新作は、遊園地が舞台。遊園地で働くスタッフを主人公にした連作です。一人ずつ物語が進み、物語全体の輪郭がはっきりしてきます。出来すぎの感は強いのですが、誰もが一人じゃないことをやさしく感じさせてくれます。月曜日から水曜日の前半の物語が好きです。

2021/03/06

うっちー

同じ職場で働いていてもいろいろな人生があります

2021/05/28

感想・レビューをもっと見る