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炉辺の風おと (毎日文庫)

炉辺の風おと (毎日文庫)

炉辺の風おと (毎日文庫)

作家
梨木香歩
出版社
毎日新聞出版
発売日
2023-10-26
ISBN
9784620210612
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炉辺の風おと (毎日文庫) / 感想・レビュー

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@nk

今年は梨木作品をたくさん読む予感があり、ひとまず彼女の今現在を知るために手に取った。山小屋での暮らしで見つめる草木、耳を傾ける鳥の声音、暖炉の炎など、読んでいて心が透き通っていく。そんな自然に囲まれた場所でこのエッセイも綴られていて、まるで西の魔女の傍らで(きっと私は素敵な椅子に腰掛けて)話を聞いているように読了。ときに自身の病や家族の最期と医療、沖縄戦や難民、海洋ごみや計画的廃品化、そしてコロナ禍にまで及ぶ著者の想いに共振しては、彼女と同じ時間を生きていることを本当に有り難く感じる1冊だった。⇒

2024/01/18

aika

便利さに慣れた昨今では当たり前のことでも、梨木さんは立ち止まり、思考する。自然の営みと人間の生き死にとが混ざり合う様が炉辺の火に照射されているようでした。『春になったら苺を摘みに』の夫人のその後と、病床にある老いた父の介護…生じた難しく悲しい出来事に心が痛み、祖母を看取った母の姿を思い出されました。「歳を重ねるということは本当にひとを楽にする。今生き難さを抱えるお若い方々、試しにもう少し生きてみてください。たぶん違ってくるから。」旅の情景という文脈から出てきた何気ない言葉。年を重ねてまた読み返したいです。

2023/11/08

まさ

「新」を読んだということもあり、文庫本で改めて梨木さんが纏う自然の感覚をいただく。日々変化することに丁寧に接する姿があり、それが日常であることに敬意と憧れを持つ。年末に登場するらしい、川嶋みどり先生との往復書簡も楽しみ。

2023/11/21

Nao Funasoko

著者の作品は何冊も読んでいる。とてもおこがましい物言いになるが、人を思考性と指向性と志向性と嗜好性をもとにいくつかのグループに分類したらきっと著者と私は同じグループに属するだろうなと思う。勿論、考察力も知識力も雲泥の差があることは言うまでもないだけれども。(^^;) 美味しかったです。ごちそうさまでした。

2023/12/05

まめ

このエッセイを読んで驚いたのは、野鳥と草木に対する造詣の深さ。梨木さんと私は、同じ場所にたったとしても全く違う景色を見ているんだろうな。それにしても、私がこれまで梨木さんの小説から受けていた印象よりはるかに、ご自身のあり方をご自身で決めることを大切にされている方だ。

2024/03/23

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