蛇の棲む水たまり
蛇の棲む水たまり / 感想・レビュー
KAZOO
梨木さんの作品集と思っていたのですが、どちらかというとこのカラフルな器が主題なのですね。鹿児島睦さんという方がつくられた器に合わせた小文を梨木さんが紡いでいかれたようです。最初は絵かと思っていたのですが、見ていてなごむような感じを与えてくれます。現物を見てみたい気もしました。
2024/03/08
アン
なんと可憐で風情漂う本だろう。陶芸家鹿児島睦さんの器の絵に梨木香歩さんが寄り添い紡いだ神話のよう。群れを離れた馬が見つけた蛇の棲む水たまり。水たまりの傍らで暮らすことにした馬は、ある夜、泣き声を耳に。馬はツノの生えたユニコーンになりたいのだが…。色彩豊かな草花、様々な動物達の愛らしい表情に心を掴まれ不思議な異世界へと導かれる。水たまりは心を映す鏡のよう。ありのままの自分と向き合い心を解き放つ。のびのびと天空を駆け抜けた先で見出したこと。馬がこれから歩む道を、麗らかな光がきっと照らし続けてくれるだろう。
2024/02/19
Ikutan
先ず手に取り、豪華な装丁を眺めてうっとり。陶芸家の鹿児島睦さんの新作に、梨木さんが物語を紡ぐ。そして、新たに、鹿児島さんが最後の一枚を添えたという。物語は、群れを出た馬が、蛇の棲む水たまりを見つけたところから始まる。不思議な風、鳥の歌や動物たちのざわめき。覗いてみると...。優しい表情の動物たちや美しい草花。馬が見たのは夢か幻か。束の間の美しく不思議な世界が、ふわりと心を包んでくれる優しい優しい物語。
2024/01/16
pohcho
梨木さんの文章で絵本なのかと思ったら、絵皿と知ってびっくり。しかも絵皿を見た梨木さんが物語を紡ぎ、物語を受け取った陶芸家さんが最後の一枚を制作したという。なんと贅沢なコラボなんだろう。猫がライオンに、犬がクマに、ゾウがトリケラトプスに。みんながなりたいものになれる水たまりの国。もう一人の自分を見つけて。よくよく見つめて・・。でも、水たまりは乾いて消えてしまうのだ。儚く不思議な物語と美しい絵皿たち。装幀も可憐でとても美しい本だった。うっとり。
2024/02/28
カフカ
鹿児島陸さんのお皿を見て、梨木さんが物語を紡いだ作品。お皿が挿絵になっていて絵本のよう。 あるものになりたくて群れから外れて森へ入った馬が、蛇の棲む水たまりを見つけたところから物語は始まる。 自分の心次第でなりたいものになれるのだな。
2024/01/07
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