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かくれた次元

かくれた次元

かくれた次元

作家
エドワード・T・ホール
日高敏隆
佐藤 信行
出版社
みすず書房
発売日
1970-10-31
ISBN
9784622004639
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かくれた次元 / 感想・レビュー

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ばんだねいっぺい

 椎名誠さんのオススメの一冊ということで手に取ったのだが、「区域内の人口密度」がてきめんに社会秩序へ影響を与えているという示唆や音響やドアなど空間認知が文化的背景と結合した生理的欲求とあいまって、個人の心身に強く訴求していることを知った。  となってくると「いじめ」をなくすのには、学校のアメニティを高めること。部屋のサイズに応じた人数の学級にしたり、施設の壁やドアに音響や視覚上に配慮をすることで、減じることは、できないだろうかと思った。空間デザインの大切さ、人と人との距離を尊重しなければと思った。

2019/02/21

livre_film2020

訳者が既に言及されているように、日本文化(や恐らく他文化も)に対する理解が短絡的で、本質主義的な発言(アメリカ人は〜云々)が見受けられる。そのため、主張を鵜呑みにするのはよくない。が、スペーシングという考えにはハッとさせられた。著者は主に視覚的•感覚的空間に絡めてスペーシングについて言及していたが、私は時間的にも言及できるのでは?と思った。「時間を空ける」や”after a while”というように、時間も距離のような扱いをすることがあるからだ。スペース不足によるストレス過多は空間・時間で解決できるか?

2023/05/06

hit4papa

人間は空間(自己と他者、自己と環境)をどのように利用しているのか。著者は、このことについての観察と理論をプロクセミックス名づけ解説していきます。納得しがたいところもありながら、一つのものの見方として勉強になります。

蘭奢待

名著と呼ばれているようだが読みが浅いのか理解出来ない。前半は昆虫や動物の行動、後半は国別の様式、文化の違いを説く。主題としては固体間の距離の取り方についての研究。ドイツ、フランス、日本、アラブ、そして米国の比較を興味深く読みはしたが、どうにも一面的なものばかりであるにもかかわらず、断じていて不快感さえ抱かせる。黒人に対する優越感、アラブ文化を忌み嫌う点としてなど学者としてどうかと思う。

2018/07/17

Sakie

人類の進化過程における嗅覚鈍化により、他者との近接を許容できるようになった説は面白い。それも人種や文化により程度が異なるとは。1970年代における仮説や実験結果は未だ示唆に富んでおり、その後の研究に俄然興味が湧く。一方、社会生活を営む者としてもまた、人間の持つ知覚能力や個と個の近接の在り様など、学生時より哲学的な感慨も生まれる。中国武術や気とパーソナルスペースにも関連があるに違いないと閃く。専攻分野の名著を今頃じっくり読むなど恥ずかしいが、学生時代から今の自分に一貫する関心を感じ、興味深かった。

2014/12/24

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