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昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー)

昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー)

昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー)

作家
シュテファン・ツヴァイク
原田義人
出版社
みすず書房
発売日
1999-03-11
ISBN
9784622050346
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昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー) / 感想・レビュー

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飯田健雄

オーストラリア留学中の1980年代前半、メルボルンのモナッシュ大学の図書館から借りて読んだ。現在の朝鮮半島の危機で、戦争を期待する意見もあるが、ツバイクは、第一次大戦の勃発直後、こう言っている「戦争は3週間。出征すれば、息もつかぬうちにすぐ終わる。大した犠牲を出すこともない。私達は、こんな風に1914年の戦争を単純に思い描いていた。クリスマスまでには家に帰ってくる。新しい兵士たちは、笑いながら母親に叫んだ。クリスマスに、また!」そして、約4年続いた。歴史の教訓として、今も読む価値は十分にある。

2017/05/04

風に吹かれて

1940年頃書かれた自伝。ツヴァイクは1881年のウィーンに生まれた。当時のカフェにはヨーロッパ中の新聞・雑誌が備えてあり、友人と語り合うことは何処でどんな人々がどんな哲学を語り、どういうものが演じられているかということであり、友人たちが知らないことをいち早く知ることが無上の喜びだった。ツヴァイクは十代半ばごろから世界の探索に出かけ、リルケやロマン・ロランなどと直接語り合い友人となった。だから、彼には国境がなかった。その頃を記述するツヴァイクの筆は喜びにあふれ、当時のヨーロッパは「青春」ようだ。➡

2020/01/07

貴人

ツヴァイクが生きた当時のオーストリアにおける老熟、調和、文化に対する優越は、コスモポリタンで協調性に富んだ彼の感性を育てたが、その隠蔽された道徳性や硬直した構造は、彼をしてより自由に生きるこを、より朗らかに生きる社会を求めてパリへ導いた。これらの要素が、エラスムスやモンテスキューの著作に見られる、内心の自由、中立に対する彼の共感を導いたのではないだろうか。さらに、フロイトやカサノヴァの著作に見られる、真なる人間性に対する探究、道徳に囚われぬ古代的なまでの開放性に対する尽きぬ興味の源泉なのかもしれない。

2015/01/22

モリータ

ツヴァイクが亡命先のブラジルで自殺する前に遺した回想。上巻は第一次世界大戦の勃発まで。一面から見ればパワーのせめぎ合いによって「不可避」な現実が、物質的繁栄と精神的自由を楽しむことができたという、他の現実の側面から見ればいかに「不可解」で唐突に感じられたかがわかる。旧版「映像の世紀」で印象的だった引用箇所も最後のほうにあります。

2016/08/16

Nobuko Hashimoto

町田智浩『映画と本の意外な関係!』で映画「グランド・ブダペスト・ホテル」が、ナチスによって焚書となったツヴァイクの作品にインスパイアされたものであること、ツヴァイクが亡命先のブラジルで服毒自殺したことを知り、すぐさま映画と本書に飛びついた。すっかりツヴァイクと彼が描き残した「昨日の世界」の虜になって、3週に渡って授業でしゃべり続けてしまった(まだまだ語りたいところだったが自制)。Ⅰ巻は古き良きヨーロッパの文化的な生活、風俗などを生き生きと記している。コスモポリタンな教養人たちの交流に魅せられる。

2017/04/23

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