読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー)

昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー)

昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー)

作家
シュテファン・ツヴァイク
原田義人
出版社
みすず書房
発売日
1999-03-11
ISBN
9784622050346
amazonで購入する

昨日の世界〈1〉 (みすずライブラリー) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

飯田健雄

オーストラリア留学中の1980年代前半、メルボルンのモナッシュ大学の図書館から借りて読んだ。現在の朝鮮半島の危機で、戦争を期待する意見もあるが、ツバイクは、第一次大戦の勃発直後、こう言っている「戦争は3週間。出征すれば、息もつかぬうちにすぐ終わる。大した犠牲を出すこともない。私達は、こんな風に1914年の戦争を単純に思い描いていた。クリスマスまでには家に帰ってくる。新しい兵士たちは、笑いながら母親に叫んだ。クリスマスに、また!」そして、約4年続いた。歴史の教訓として、今も読む価値は十分にある。

2017/05/04

松本直哉

一つの文明の滅亡を目の当たりにした作家の哀惜を込めた挽歌。美しい時代 Belle Époque と称された1914年以前のヨーロッパ文明の最後の輝きを、ホフマンスタール、リルケ、ロダン、ヴェルハーレン、ロマン=ロランらとの交遊を通して描く。伝記作家らしく一人ひとりの造形がくっきりと際立ち、世紀の変わり目前後のウィーンやパリの空気感が伝わる。書かれたのは第二次大戦中で、ユダヤ人の著者は愛してやまない欧州を追われ、追放の異郷でこの自伝を書いたあと自ら命を断つ。回顧的感傷にとどまらない貴重な時代の証言。

2021/01/14

風に吹かれて

1940年頃書かれた自伝。ツヴァイクは1881年のウィーンに生まれた。当時のカフェにはヨーロッパ中の新聞・雑誌が備えてあり、友人と語り合うことは何処でどんな人々がどんな哲学を語り、どういうものが演じられているかということであり、友人たちが知らないことをいち早く知ることが無上の喜びだった。ツヴァイクは十代半ばごろから世界の探索に出かけ、リルケやロマン・ロランなどと直接語り合い友人となった。だから、彼には国境がなかった。その頃を記述するツヴァイクの筆は喜びにあふれ、当時のヨーロッパは「青春」ようだ。➡

2020/01/07

貴人

ツヴァイクが生きた当時のオーストリアにおける老熟、調和、文化に対する優越は、コスモポリタンで協調性に富んだ彼の感性を育てたが、その隠蔽された道徳性や硬直した構造は、彼をしてより自由に生きるこを、より朗らかに生きる社会を求めてパリへ導いた。これらの要素が、エラスムスやモンテスキューの著作に見られる、内心の自由、中立に対する彼の共感を導いたのではないだろうか。さらに、フロイトやカサノヴァの著作に見られる、真なる人間性に対する探究、道徳に囚われぬ古代的なまでの開放性に対する尽きぬ興味の源泉なのかもしれない。

2015/01/22

モリータ

ツヴァイクが亡命先のブラジルで自殺する前に遺した回想。上巻は第一次世界大戦の勃発まで。一面から見ればパワーのせめぎ合いによって「不可避」な現実が、物質的繁栄と精神的自由を楽しむことができたという、他の現実の側面から見ればいかに「不可解」で唐突に感じられたかがわかる。旧版「映像の世紀」で印象的だった引用箇所も最後のほうにあります。

2016/08/16

感想・レビューをもっと見る