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絵物語 動物農場

絵物語 動物農場

絵物語 動物農場

作家
ジョージ オーウェル
金原瑞人
カンタン・グレバン
出版社
パイ インターナショナル
発売日
2023-10-18
ISBN
9784756255600
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絵物語 動物農場 / 感想・レビュー

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夢追人009

ジョージ・オーウェルさんの永遠の名作を初めて読みました。こんなにショッキングな話だとは思いませんでした。翻訳者の金原瑞人さんの解説を読んで本書の意図を深く理解しました。人間に飼われる身から独立して自由を勝ち取ろうとする動物たち。だが頭が良く狡賢い豚が他の動物たちに命令して働かせ自分たちは体を動かしもせずに食料を多く食べて肥え太り安楽に生きていく。他の動物たちは真面目一筋で彼らを疑いもせずに盲従し過労で死んでいく。絵柄が残酷さを和らげながらも人間の愚かさを痛烈に描く必読の名作ですね。#NetGalleyJP

2024/04/03

Roko

この原作が書かれたのは1945年、第二次世界大戦が終わった年です。この物語の中で豚のナポレオンはレーニンを、スノーボールは後に暗殺されてしまうトロツキーをモデルにしています。国家であれ、会社であれ、宗教であれ、権力を持つと、人はなぜ余りにも愚かなことをしてしまうのでしょう。最近のニュースはそういうことばかりです。結局は「欲」なのでしょうか。80年近く前に書かれた小説が、まるで今日のことのように思えるのが怖くてなりません。#絵物語動物農場 #NetGalleyJP

2023/10/18

tosca

読みたくて読んでいなかった「動物農場」、素晴らしい挿絵の入った新訳版が読みやすそうで手にとって大正解。1945年にロシア革命後のソ連を戯画化した小説としてベストセラーになった物なので内容は想像がついていたものの、やはり実際に読んでみるべきだなと改めて思った。今読むと、社会主義体制に対する風刺というより、人間社会全般に当てはまっていて恐ろしい。既得権益を手放さない一握りの上級国民の都合の良いように、何だか知らないうちに、気づいたら、仕組みが出来上がっていて、そんなもんかと納得させられる無知な私達。

2023/11/26

spatz

何年か前から彼の名前がよく頭の中をよぎる。何十年も前の茶色く焼けた文庫本が実家の本棚から見つけ出してきて手元にある。1984年。何度か読みかけてそのたびに最後まで読み通していない。描写があまりにも生々しいからだ。今ここに新しい装丁と美しい挿画、そして金原瑞人氏の新訳で彼のもう一つの名著が世に出る。動物農場。今初めてこの物語に接する読者は、登場人物たちの背景を知らないかもしれない。この新刊にも歴史的背景には触れられている。それすらも、もう歴史の教科書に出ていたっけ、というくらいの認識かもしれない。

2023/10/22

かつみす

すっきりした訳文、大きめの活字、そしてきれいな挿絵付きで読めるオーウェルの名作。紙の本を読む喜びが味わえる。『動物農場』には「おとぎ話」A Fairy Storyという副題がついているが、「歴史」A Historyとしても良かったかも。ソヴィエト連邦の歩みが下敷きであるのは明らか。ただ、風刺の射程はもっと広くて、およそ人間が集まれば碌なことにはならないだろうと読後に思わせる。ものを深く考える習慣をもたない民衆が、言葉の詐術によってあっけなく手玉に取られ搾取されていく過程をこれほど印象深く描いた作品はない。

2023/11/19

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