ふつうの相談
ふつうの相談 / 感想・レビュー
たかこ
東畑先生の本、「心はどこへ消えた?」に続き2冊目。心理士ではない私でもぐっとくる内容。「ふつうの相談」の形態、構造、位置について、なんとなく感じていたことが理解できた。「ふつうの相談の技法」である「聞く」「質問する」「評価する」「説明する」に意味があり、私がやっている部分(専門家が入る手前のなんていうことない、話を聞いてくださいよー、という相談事)はこれなんだ!という部分が明確になって本当に勉強になった。学校、病院、福祉、司法…など多方面の専門家との相談の前にふつうの相談が存在する。…続く…
2023/12/19
ネギっ子gen
【人と人がつながること。人が人を支えること。これがふつうの相談の根源で響いてくる】心の回復を目指し、友人関係からサイコセラピーの治療関係まで、対人支援としての「ふつうの相談」を解き明かした書。補遺「中断十カ条-若き心理士への手紙」を収録。<人は心を飛び交う空想からは学ぶことができず、目の前にある現実からしか学びはもたらされない。失敗から学ぶために必要なのは苛烈な追及ではなく、安全な孤独だ。つまり、見守られている中での孤独である。痛みを伴う現実と向き合うためには、誰かに支えられている必要がある>と。ええ。⇒
2024/04/21
shikashika555
カウンセリングの技法を使わない普通の世間話のような言葉のやり取り。 それこそが肝心であり 人間関係のはじまりであり 互いを確認する作業であり 状況を好転させることもあるものなのだな。 だってどんな人間関係でもいきなり心の深いとこになんて触りにいかないもの。 そんなことする人は、変わっていて無作法で厚かましくて自分勝手で迷惑な人に決まってる。 たとえカウンセラーであっても、それは一般の関係と変わりないだろう。 糖尿病治療に対して 薬剤を使う前に生活改善でも効果が見られるのと似てるな、と思った。
2023/10/18
アオイトリ
いつもの愉快な東畑節を期待したら、ちょっと難しかった💦背伸びしちゃった。心の問題を解決する力は時間の流れにある。破局寸前であるかのように切迫した不安は、時とともに緩んだり、キツくなったりを繰り返しながら、徐々に現実的になっていく。自然治癒力、時熟。心理療法は神さま抜きで何かを信じるテクノロジー。ソーシャルワークはシステマティックなお節介。行動療法は科学的用語に翻訳されたしつけ。非指示的療法は神学的にまで高められた聞くこと。うまいこと言うなぁ。
2023/12/08
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
元リワークデイケアユーザーのクライアントとして読了。 当時の様々な風景を断片的に脳裏に浮かべながら、「支援してくださった医療者たちはこういう位置にいて、こういう悩みを持っていたのかもしれない」と思いを馳せた。 「今の自分には何かできることがあるだろうか」と、読んでる間中ずっと思案していた。
2023/08/28
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