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カーネーション (くもんの児童文学)

カーネーション (くもんの児童文学)

カーネーション (くもんの児童文学)

作家
いとう みく
酒井駒子
出版社
くもん出版
発売日
2017-05-11
ISBN
9784774326900
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カーネーション (くもんの児童文学) / 感想・レビュー

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mocha

読んでる間じゅう胸が痛くて、泣きながら読了。娘を愛せない母と、いつか必ず愛してくれると信じる娘。なぜ?虐待やネグレクトならまだわかりやすい気がする。次女を宝物のように可愛がる優しい母がどうして長女を同じように愛せないのか。カーネーションの花言葉は母への愛だけでなく、色によって軽蔑、拒絶、失望ともいうらしい。母も苦しいだろうけど、やはり愛情を与えられずに育つ子ほど悲しいものはない。辛いけど一気読みさせられる良本。

2018/02/12

ちゃちゃ

これは児童文学の範疇に入る作品なのか。茫然とした想いで本を閉じた。家族であればともに暮らし、無条件で愛し理解し合えるはずだという思い込みが、時に“くびき”となって母子を苦しめる。母性神話の崩壊、家族の機能不全。そんなありがちで類型的な形容を使うことさえためらわれる。母に愛されたくて苦しむ娘、日和。その娘をどうしても愛せない母、愛子。愛せないことに理由は無く、物語は安易な解決へと導かれない。娘の立場、母親の立場で苦しむ人々の現実、いや真実の姿がここにある。その普遍的で真摯な筆致に畏敬の念さえ感じた。

2018/07/26

はる

何て切ない。「車夫」のいとうみくさん。今作も痛々しいほど繊細な物語。母親に愛されない少女が主人公。母親もまた、娘を愛せないことに苦しむが…。少女の健気な想いがあまりに哀しい。母親の態度にゾワゾワしつつ、どういった結末になるかハラハラしました。安易なめでたしめでたしではないラスト。ある意味児童文学的ではないかもしれないけれど、敢えてそうした作者に誠実さを感じました。酒井駒子さんの装画が印象的です。

2018/07/12

みーちゃん

母親に愛されたい中学生の日和と、娘を愛したい母親愛子を巡る想いのすれ違いを描いた話です。 自分の子を愛したいけど愛せないことは仕方の無いことなのかなと思いつつも、そんなことがあるのかがとても不思議に思いました。けれど、どんなに母親に好かれようと頑張ってもかえって鬱陶しがられたり妹を優先されられたりするのはとても辛いと思います。日和ちゃんに、ちゃんと頼れて助けてくれる仲間がいて良かったなと思います。すごく感動しました。

2021/11/14

えりこんぐ

心が痛い。。自分の子供を愛せない母。なぜ愛せないか苦しいのはわかるけど、子供はそれの100倍は苦しんでる。ラストは落ち着くべきところに辿り着けた感じ。家族はこうしなきゃ、という正解はない。日和が壊れてしまう前に気づけて良かった。

2018/11/14

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