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コロナ禍、貧困の記録

コロナ禍、貧困の記録

コロナ禍、貧困の記録

作家
雨宮処凛
出版社
かもがわ出版
発売日
2021-04-08
ISBN
9784780311556
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コロナ禍、貧困の記録 / 感想・レビュー

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真香@ゆるゆるペース

図書館本。不況による失業者や自殺者がただでさえ多い中、コロナで更に困窮者が増えた2020年の日本の現場を取材・支援に携わってきた著者の記録。お上の評価できない対応は今に始まったことじゃないけど、本書を読んだら日本はもうダメかもしれん…と、怒りを通り越して絶望的な気持ちになってしまった。厳しい世の中だけど、困った時に死なないためのヒントが至る所から得られるので、誰もが読んで損はないはず。感染者数やワクチンの情報も大事だけど「コロナになってもならなくても死ぬ」と言う人がいることももっと取り上げるべきだと思う。

2021/06/23

ヒデミン@もも

もっとガンガンといく、いつもの雨宮処凛さんよりクール。コロナ禍で格差が広かった。悲惨なロスジェネ世代。今、マスコミはコロナ感染、ワクチン接種の報道に追われているが、「コロナになってもならなくても死ぬ」とつぶやく人がいることを知らしめて欲しい。

2021/05/18

とよぽん

2006年から貧困の現場を取材している著者は、2008年末の「年越し派遣村」をはるかに上回るコロナ禍の惨状であると書いている。若者、女性、自営、接客業、フリーランスなどが増えているのだ。雇い止め、非正規、会社の寮を出たら住むところがない、家賃が払えない、所持金200円、など窮状を訴える人が続々と相談に来る。そんな人々に、政府や役所は場当たり的で無慈悲な対応ばかり。困窮者の命と生活を守ろうとしない冷酷さに強い怒りを覚えた。もう民間のボランティアの奮闘では支えきれないほど逼迫しているのに。

2021/08/20

壱萬弐仟縁

本書内容は昨年20年の話。コロナ禍では、感染しても、しなくても、生活苦で死んでしまう(3頁)。恐ろしい生存競争、生存環境な日本社会。休業手当の補償をすればいいものを、語られずに極端な二択(命か、経済か)(7-8頁)。衆院選ではコロナ対策で人間の安保、生存権を死守できる候補を選ぶしかない。投票率を上げない限り、大政党が勝利する選挙制度ではだめだ。多くのフリーランスが補償もないままに放り出されている(46頁)。現在、貯金を切り崩して生活をしているという人は、生活保護制度を視野に入れておいた方がいい(48頁)。

2021/09/02

踊る猫

ドナルド・トランプ大統領出現以降の現象として、「分断」が重要なテーマになってきたと思っている。雨宮処凛は独自の感じやすさ・繊細さでそんな「分断」を崩そうとする。役所仕事がもたらす官僚的な態度と貧困であえぐ当事者の間の壁を壊そうとし、私たちに本当に見なければならないリアルを突きつけてくる。それはさながらケン・ローチや是枝裕和の映画を地で行くような世界だ。彼女の姿勢が独善に陥らない危険がないとは言わないが、しかしここまで緻密にかつ(いい意味で)感情的にラッシュをかける彼女の姿には本当に頭が下がる。リアルである

2021/07/09

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