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発達系女子とモラハラ男──傷つけ合うふたりの処方箋

発達系女子とモラハラ男──傷つけ合うふたりの処方箋

発達系女子とモラハラ男──傷つけ合うふたりの処方箋

作家
鈴木大介
漫画 いのうえさきこ
出版社
晶文社
発売日
2021-03-29
ISBN
9784794972569
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「発達系女子とモラハラ男──傷つけ合うふたりの処方箋」のおすすめレビュー

発達障害のある妻とモラハラ夫。傷つけ合いながらも、ふたりが見出した道のり

『発達系女子とモラハラ男 傷つけ合うふたりの処方箋』(鈴木大介:著、いのうえさきこ:漫画/晶文社)

 お互い好きになったから一緒にいる。それなのに、うまくいかない。誰でも一度はそんな経験をしたことがあるのではないだろうか。

『発達系女子とモラハラ男 傷つけ合うふたりの処方箋』(鈴木大介:著、いのうえさきこ:漫画/晶文社)の著者・鈴木大介さんの妻は、発達障害特性を持つ「発達系女子」だ。鈴木さんは仕事と家事をひとりでしている。だんだんとそんな生活に疲れ、お互いにとってつらい言葉を妻に投げかけるようになった。するとあるとき、彼は脳梗塞を起こし、「高次脳機能障害」になる。

 鈴木さんは購買で店員に言われた金額をすぐに忘れたり、注意障害で不必要な情報が脳に入り大事な情報を失ったりする。すべて今まではなかったことだ。苦しみながら彼は、自分の妻がどれほど大変な思いをして生きてきたのか、実体験によって理解するようになる。

 落ち込む鈴木さんに、妻は言う。

“頑張ってなんとかなるものを障害とは言わないでしょ?”

 発達障害特性のある人たちは、「やらない」ではなく「できない」の…

2021/5/20

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発達系女子とモラハラ男──傷つけ合うふたりの処方箋 / 感想・レビュー

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ネギっ子gen

<これまで様々な視点の書籍が出版されている中で、本書は一言で言ってしまえば、発達系女子及び、そうした女性と共に暮らす男性パートナーをターゲットにした一冊です。類書としては、発達系男子と共に生きる女性(主に)が、その関係性構築の難しさから起こすカサンドラシンドロームにまつわる一群の本がありますが、本書はその逆のパターンを想定>。ワンオペ家事の夫は鬱憤蓄積し、妻に暴言をぶつけるモラハラ男に。その夫が脳梗塞で倒れ、高次脳機能障害になると関係性が激変。夫は妻の「不自由」や「苦手」を考察し、家庭改革を。漫画込み。⇒

2021/10/27

読特

「片付けられない」「約束の時間が守れない」「未来の話ができない」のは何故?定型発達者と発達障害との大きな溝。ペットの気持ちを慮る、異国の文化を理解する。違うことが前提での想像は楽しい。同じはずなのに何かずれているのはストレス。「自分がおかしい?」不安から怒りへ。どう感じるのか、何を思考するのか。脳障害となり気づけた著者が解説し改善策を示す。広く人を理解するのに役立つ。それでも相手を完全にわかったつもりにならないこと。これは一例。人はそれぞれ違うし複雑だ。わからなくても理解しようという姿勢こそ重要なのだ。

2021/09/09

ちくわ

「できている」側にはなかなか理解しにくいことを見事に言葉で説明してくれています。筆者の高次脳障害体験をきっかけに、パートナーの「できない」行動を論理的に理解し、活躍できるように仕組みを作るところまで。いやー、素晴らしいです。(☆5)

2021/08/13

風地

今まで発達障害系の本はかなり読んできたけれど、この本のお役立ち度は相当なレベルだ。高次脳機能障害により、後天性の脳障害に見舞われた著者が、発達障害の妻との家庭生活を改善していく過程を教えてくれたわけだが。何がすごいって、定型脳→非定型脳になったことにより、発達障害の人が、どんな場面でどんなふうに困っているのかを、定型脳の人にわかるように翻訳しているところ。こんなに当事者の感じ方がわかる本はなかった。指示は短く!とか散々言われて知っていたけれど、そうじゃないとダメなんだ、という事がよくわかる。

2021/09/23

しもふさ

「やらない」のではありません「できない」のです。最初に漫画があったのはよかったです。イメージがしやすくなりました。易疲労というのは脳の疲労であって一般的に想像される体力の消耗とはまるで次元が違うのですよね。環境調整のために努力していくところでも共感しました。「真の公平」についても社会は考えた方がいいと思います。この筆者の「脳・発達」シリーズは筆者が飾らず、ありのままの生の感情と思いが綴られていて、読んでいて胸を衝かれます。

2021/06/26

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