KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

鳥肌口碑

鳥肌口碑

鳥肌口碑

作家
平山夢明
出版社
宝島社
発売日
2003-07-01
ISBN
9784796634540
amazonで購入する

鳥肌口碑 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

みや

心霊に纏わる35編と人の狂気に纏わる35編を収録した実話怪談集。平山夢明の二つの魅力を同時に味わえる贅沢な一冊。全て「…こんな譚を聞いた。」で始まる怪異譚はシチュエーションが様々で、日常のあらゆるところに怪や狂が潜んでいるのだと感じられる。どちらも明快な「答え」が無くて面白いが、今回は全体的に人間の狂気の物語の方が秀逸だった。インターネットの落とし穴を描く『評価』、見知らぬ男に手錠で繋がれる『エレベーター』、目責めの『コンタクト』が特に好き。一人暮らしなら更に恐怖を感じられたであろう作品が多く、羨ましい。

2020/05/03

アイアイ

「怖いものじゃなく狂ったものが好き」という平山先生の怪奇譚集。 身をよじるグロさ、相次ぐ不審者の被害に会う女性たち。記憶を切れ切れに繋いで話したような語り口が事件の生々しさを盛り上げる。読むと対人恐怖症の悪化になるのに、止められない魅力。▽図書館

2015/09/13

hannahhannah

前半の怪の鳥肌は幽霊などのオカルトホラーの話を集めたもの。全体的に淡々としていて、しっとりとした怪談らしい雰囲気だった。「夜釣り」のいくつもの腐乱死体の足が出てくる話が良かった。後半の狂の鳥肌は変質者などのサイコホラーの話を集めたもの。グロテスクだったり、悪意を感じさせる話はあれど、東京伝説シリーズみたいに悪趣味な比喩表現やサディスティックな拷問などの残虐表現はなかった。それでも、「手びねリ」の両目に瞬間接着剤を着けられる話はエグい。一人暮らしの女の部屋に変質者が侵入してくる話がいくつもあった。

2017/02/04

くさてる

個人的にキングオブ実話怪談の著者の本。そして同時にキングオブ後味の悪い話を書く人でもあって、本当に、読んでいて消耗しました…。それでも読まずにいられない、怖い話が詰まってます。前半よりも後半が、本当に厭で厭で、もう……。とりあえず戸締まりには気をつけたい、けど、そんなものでは防ぎきれないという事実が、怖いんだよなあ…。

2014/10/13

Maki Uechi

★★★☆☆ 前半「怪の鳥肌」は心霊などの怪に関するものが35篇。後半「狂の鳥肌」は人の狂気に関するものが35篇。「…こんな譚を聞いた。」で始まる話はどれも短いけれどゾッとするものばかり。あとがきで平山さんは執筆中に怪異に襲われ体重が12キロも落ちたことを明かしている。そして怖いものが好きというよりも狂ったものが好きだとも語っている。狂気には強烈な破壊と尋常ではない解放を感じるからだそうです。そんなところに体当たりで突っ込んでいく平山夢明という人が紡ぐ譚にあたしは今夢中になっている。

2016/11/14

感想・レビューをもっと見る