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すみれ屋敷の罪人 (『このミス』大賞シリーズ)

すみれ屋敷の罪人 (『このミス』大賞シリーズ)

すみれ屋敷の罪人 (『このミス』大賞シリーズ)

作家
降田天
出版社
宝島社
発売日
2018-12-07
ISBN
9784800290793
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すみれ屋敷の罪人 (『このミス』大賞シリーズ) / 感想・レビュー

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starbro

『女王はかえらない』に続いて降田 天、2作目です。伯爵家歴史ミステリ、ミステリ度は低いですが、昭和初期戦時中の社会状況、伯爵家の特異な家族模様、全体的な雰囲気は、楽しめました。次作も期待したいと思います。

2019/01/18

しんたろー

降田さん初読み。昭和初期の名家の庭から発見された数体の白骨を巡ってのミステリ・・・いかにもな舞台設定で当時の関係者から聞き取り調査をする前半は単調に感じたが、各人の証言に食い違いが出始める中盤から面白さがアップし、終盤は哀しさと切なさが加わって一気に読み終わった。犯人当てやトリックを期待すると肩透かしだろうが、補って余りある「健気な想い&狂おしい程の愛」に圧倒された。当時の世相が判り易く書かれているし、ノスタルジックな雰囲気や幻想的な描写も効果的で「美しい騙し絵」を鑑賞した気分になった。他作も読みたい♬

2019/03/05

nobby

冒頭から美しく彩る“すみれ”が、物語全般を実に引き立てるのが素晴らしい。名族の敷地内で発見された二つの白骨体をめぐり、半世紀以上を経て行われている調査。残り少ない生存者の証言が順に並ぶ章構成にニヤリ♪各々噛み合わない真相が導くのは!?そもそも探索する人物の目的や正体は!?すっかり繋がったと思わせてからの仮説論破があるだけに、第二部で全く印象ひっくり返る事実が次々と明らかになるのが衝撃的!細かい事柄をしっかり拾っていくのにも感銘するばかり。戦争をまたいで描く時代背景だからこそ、哀しくも優しい嘘が心に染みる…

2019/08/25

ごみごみ

昭和初期。すみれに彩られた紫峰邸。壮麗な洋館に暮らす優しい父親と美しい三姉妹…そんな「すみれ屋敷」で何があったのか。当時の使用人たちの証言には、秘密と嘘が入り雑じる。騙されているふりをしながら娘の嘘を守り続けた父の愛情、嘘を演じ続けた娘の強さ、そして戦争がもたらした悲劇。哀しくて美しい真実。誰もが罪人であり善人でもあった。

2019/02/16

🐾Yoko Omoto🐾

戦前、X県譲町の名家であった紫峰家。60年以上の時を経て、その敷地から発見された二体の白骨死体は一体誰のものなのか。当時を知る者の証言と回想によってその真相が徐々に明らかにされていく。庭に咲き誇る菫にちなみ名付けられた美しき三姉妹、娘をただただ大切に思う当主、一家にひとかたならぬ恩義を感じる使用人や書生たち。ゴシック的なモチーフで表現された栄華、戦争という非道に翻弄され衰退するしかなかった無常、それは余りにも切なく悲劇的だ。時代の中でそれぞれに苦悩を抱える者たちの慟哭が、ミステリとベストマッチした秀作。

2019/02/09

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