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たった一人の30年戦争

たった一人の30年戦争

たった一人の30年戦争

作家
小野田寛郎
出版社
東京新聞出版局
発売日
1995-08-01
ISBN
9784808305352
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たった一人の30年戦争 / 感想・レビュー

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のっち♬

1995年発刊。ルバング島残置蝶者として戦い29年後に帰還した少尉の自伝。ラジオが聞けても敗戦も呼びかけも信じられない猜疑心は、職種柄に加えて無謀な訓示や接触の不手際に起因するらしいが、家族の声は声帯模写、日本国土は傀儡政権といった曲解は一般人の理解の範疇を超えた次元。一方で、ジャングル生活は帰国後の体調悪化を含めて興味深いし、小塚戦死後の孤独、拝金主義に染まり切った戦後日本人への失望、埋め難い価値観の溝といった戸惑いは現代人にも伝わりやすいと思う。波紋を広げた言動も環境変化によるショックの影響が強そう。

2023/03/10

Willie the Wildcat

30年の任務遂行。その過程における投降機会と、機会喪失に繋がる誤解の積み重ね。著者の責任感、根源は軍の”洗脳”による疑心暗鬼。地元住民との接点が生活の糧であり、外の世界の情報源。東京オリンピックのNewsを如何に解釈したのか・・・。仲間が”減る”中で、任務と”生”への意思が印象的。一方、帰国後の杓子定規な厚生省と、様々なバッシングは現代にも続く悪しき慣習?何故著者がブラジルへ移民せざるを得なかったのかは、同じ日本人として考えさせられることが多々ある気がする。

2016/08/01

かおりんご

先日読んだ本よりも新しいからか(戦後50年を記念に書かれたもの)、内容的には大差なし。小野田さんが日本に帰ってきてすぐに書かれた話が読みたい。戦後の平和ぼけしている日本は、住みづらかっただろうな・・・今もなお、太平洋戦争は諸悪の根源だと教えられているし。確かに戦争は避けた方がよいし、多くの人が犠牲になったのはどうかなと思います。だからと言って、あの時代に戦った人たちを否定するのは、戦後教育の誤りだとも思います。もっとも、職業柄大きな声じゃ言えませんがね。

2015/07/22

Miyoshi Hirotaka

玉砕訓練から180度転換し、生きるための勉強。中野学校では国賊の汚名を着ても、生き恥をさらしても生き延びて任務を遂行せよと教えられた。残置諜者としてジャングルに隠れ、ゲリラ戦を継続。救出活動さえ敵の謀略として撥ね付け、上官の命令が口達されるまで30年間戦った。2015年は日清戦争120年、日露戦争110年、大東亜戦争70年の終結。その昔、人々は命を惜しむなと教えられ、死を覚悟、身近な死が生が輝かせていた。平和な時代に命の大切さを教えることは命がけでやることの否定ではないはず。安閑とした生き方に喝が入る本。

2015/01/15

おかむら

抜群に面白いという噂は聞いてて読んでみたかった小野田さんの自伝をやっと読む! ホントに面白いわコレ! 30年間ジャングルで本気で戦ってたんだ! 疑り深さがすごい! 陸軍中野学校にも興味出てきたわ。読後wikiみてたら、この本フジテレビで単発ドラマになってた。小野田さんを中村獅童、仲間の兵士を西島くんとギバちゃん、見つけた若者を堺雅人と素晴らしすぎるキャスティング! 見たかったー。再放送してくんないかなー。

2017/09/24

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