夢に追われて
夢に追われて / 感想・レビュー
三月うさぎ(兄)
キノコを食べ、蕎麦殻の枕で悪夢を見て、屋根裏を這い、蟹を食い、無限に碁を打ち、雨を見続け、虫を詰め、本を整理し、顕微鏡を売り続け、ひきつったさみしい笑いを浮かべながら静かに終わり続けるヒトという種族を、やさしいようなあきらめたようなあざわらうような筆致で描いた傑作集。『間男』と『丘の上の桐子』は、オールタイムベストクラスでした。乱歩と筒井康隆とバーセルミとコルタサルと谷崎とバラードが合作したと思えば間違いないです。…あれ、フランス作家がいない…。
2023/11/12
よだみな
あれも好き、これも好きと数え上げたら全部の短編になってしまうような傑作短編集。『虎の目』『三途の湯』『流されて』『山荘日記』読み心地は吉田健一のようにふわふわとしてて、でも筒井康隆や谷崎潤一郎や、そうな方の倉田タカシやコルタサルやら。とにかく次回作もたのしみにお待ちしております。
2024/02/15
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