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自主独立農民という仕事: 佐藤忠吉と「木次乳業」をめぐる人々

自主独立農民という仕事: 佐藤忠吉と「木次乳業」をめぐる人々

自主独立農民という仕事: 佐藤忠吉と「木次乳業」をめぐる人々

作家
森まゆみ
出版社
バジリコ
発売日
2007-03-01
ISBN
9784862380302
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自主独立農民という仕事: 佐藤忠吉と「木次乳業」をめぐる人々 / 感想・レビュー

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やすらぎ🍀

木次乳業創業者、木次忠吉氏の自伝。1920年生まれ。戦前日本、戦争体験、戦後を語る。石油石炭燃料に変わり、中山間地の主要産業、薪木炭の需要が減った。 耕作労働の担い手も減り、和牛も和紙も養蚕も駄目、3人で酪農を始めたのが1953年。生産だけでなく加工から消費者に届ける夢があった。工場の全焼、盟友の死を乗り越え、いち早く安全性を研究。子どもたちに美味しい牛乳を届けたい。でも、赤ちゃんには母乳を…。人生は愛しい。難儀を乗り越えたことが一番の生き甲斐。失敗のない人生は失敗である。かなりの読書家であり優しいお方。

2021/01/17

アキ

木次乳業は島根でブラウンスイス種を基に日本の草を飼料として山地酪農を実践している。1961年農業基本法から食べ物が工業製品化していったのは、アメリカの安い穀物を利用し、乳量の多い牛を利用するコスト主義が蔓延したからだと創業者・佐藤忠吉は語る。1978年63℃30分殺菌の低温殺菌牛乳を日本で初めて「パスチャライズ」という名称で売り出した。地域で完結する農業、地域自給によるリサイクルを目指している。大量生産し安く売るのは都市市民迎合型と手厳しい。自主独立農民という生き方が、これからの時代にどう響くのだろうか。

2020/09/17

むつこ

島根の酪農家(佐藤忠吉)さんへのインタビュー本。今まで大手の牛乳を購入していれば間違いないと思っていた。しかし、その土地で生産している小さいながらも肩を並べて陳列しているものを飲もうと思う。土が違えば味も変わる、当たり前なことだった。道の駅などで盛んに販売していたのもうなずける。地産地消、牛乳もその一つと改めた。

2014/11/08

ロータス

「人間が生きているということ自体、殺生ですわ。牛や豚を殺して肉を食べ、魚を獲って刺身を食べ、米も麦も野菜も植物ですが、命あるものであることに変わりはない。何か食べればすべて殺生です」。この、植物にも命があり、植物を食べることも殺生だと語る佐藤忠吉さんを素晴らしいと思った。乳業を営んでいながら「基本的に人間に牛乳は不要なんです」と言ってしまうところもすごい。地域自給と地産地食を理想とし、アメリカ主導の大量生産大量消費農業のあり方に疑問を呈す。やはり生き方に信念と哲学のある人は強いし信頼できる。

2020/01/29

野々村 聡

★★★★ 立ち読みでざっくりと。 島根の雲南市のかつての状況➡️木次乳業への経緯が書いてある。佐藤忠吉さん(だっけ?)の話が語り部みたいで非常におもしろい。おもしろい切り口、新たな一面から地元を見られるのはとてもおもしろいように思う。

2019/07/05

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