ゴージャスなナポリタン
ゴージャスなナポリタン / 感想・レビュー
いたろう
ナポリタンは、昭和の香りただよう、まさに40代の心の料理。具を贅沢にしてみても、所詮は庶民の食べ物。この小説は、いろいろ事件があっても、周りから見ると平々凡々にしか見えない、さえない40代独身男の物語として、ナポリタンが象徴的。仕事はできない訳ではないのに、ただこなしているような仕事ぶり。親と同居して親の作った料理を食べ、漫画と本に埋もれる生活。恋人はいるのに結婚を考えるでもない。このままでいいのかと思うこともない訳ではないのに、やっぱりマイペース。共感も何も感じないのに妙に心に残る、不思議な読後感。
2016/03/13
tokotoko
「くらしの小説大賞」受賞作品です。「くらしの小説」って、すごくいい響きです。どんなくらし?と思ったら、ある町のある核家族(父、母、息子)の息子の周りで起こる数々の出来事が詳細に記録されてました。文章と登場人物と、その登場人物達の頭の中が、ものすごーーく面白い!!のです。だから、一気に読めてしまいます。タイトルのゴージャスなナポリタンの作り方も圧巻。あとがきに、ちょこっと涙。この“くらし”の味ったら、最後の一口までいい出汁、出てました!
2017/04/16
まるる
表紙のナポリタンに釣られて読んでみたら、さえないアラフォー独身男の日常を描く作品だった。個性的なゆるい文章が読みやすい。そのせいかシビアな事柄もクスっと笑って受け止められてしまう。シルバー川柳とかサラリーマン川柳のゴージャス版みたい。久しぶりに小説を読みながらクスクス笑った。特にひばりさんの死体目線が面白すぎる。日々の暮らしに疲れた時にフッと読み返したくなりそう。そしてナポリタンが食べたくなるっていう。
2016/02/24
吾亦紅
第2回暮らしの小説大賞受賞作。選考委員が好みの方々だったので手に取った。善良で優しくて、すこしダメな感じの漂う主人公と彼をゆるやかに取り巻く人たちの暮らし。それぞれの普段の暮らしには、それなりの光と影がある。こんなんでいいのかな、おれ(わたし)…、そんな彼らと一緒にため息をついたり笑ったりした。スーパーにわざわざ行って、いつもよりゴージャスなナポリタン、作って食べたくなった。
2019/05/19
fwhd8325
いわゆるジャケ買い。タイトルに惹かれました。だけど、どうも、この物語は読みにくい。私には合わなかったようです。それでも、ラストに持ってきたクライマックスは、見事だと思います。
2016/06/03
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