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生きながら火に焼かれて (ヴィレッジブックス N ス 4-1)

生きながら火に焼かれて (ヴィレッジブックス N ス 4-1)

生きながら火に焼かれて (ヴィレッジブックス N ス 4-1)

作家
スアド
松本百合子
出版社
フリュー
発売日
2006-05-01
ISBN
9784863328181
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生きながら火に焼かれて (ヴィレッジブックス N ス 4-1) / 感想・レビュー

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かおりんご

マララさんの話を読んで、女性が奴隷のように虐げられている国があることは知っていたし、最近イスラム国の本を読んでいたから、自分の中に暴力に対する耐性ができていると思っていましたが・・・これは事実とはいえ酷い・・・「名誉の殺人」家族にとって不名誉な噂や事実のあった女性が、正義の名の下に殺される事件。でも、警察や裁判所は一切介入しない。だって、それが伝統だし文化だから。そんなことってあるの?!というのが、この本を読んでの感想です。男性と目があっただけで、罪なの?暴力を受けたとしても、罪だから仕方がないの?価値観

2015/10/03

扉のこちら側

初読。未婚で妊娠したことで家族の手で火あぶりにされた女性。中東における「名誉の殺人」を生き延びた初の証言者と、救出した保護団体職員の手記。フランスで新たな家族を得た彼女が、過去を家族に打ち明けるまで。コメントに続く

2012/08/14

スー

これ程、沈鬱な気分になる本ないだろうと思う本でした。シスヨルダンに産まれたスアドが自身について書いた本です。彼女の産まれた村では女と生まれた瞬間に奴隷として生きるよう定められていた。彼女と姉と母は毎日のように父親に叩かれ蹴られ罵られて生活していました。母親は14人産んだらしいが生きた子は5~7人で女の子が産まれると殺していたようです。さらに弟が妹を電話線で絞め殺していて、スアドと姉はいつも父に殺されると怯えた暮らしていた。もし女性に悪い噂がたったら家族は名誉を守る為に殺さなければならない。

2018/03/20

Wisteria

男性が完全な権力を誇り、女性は家畜以下の存在として扱われるシスヨルダン。殴る蹴る鞭打つ、よくそんな体力があるなと感心するほど暴力に走る男達。悪しき慣習が法律のようになってしまっている。他国の文化にとやかく言うのは気が引けるけれど、それにしても残酷な世界だ。スアドのように救出された人は氷山の一角でしかない。名誉の殺人なんて言っている人達の価値観がそう簡単に変わるとは思えない。希望は薄いと正直感じた。

2018/06/21

みも

日本…この平和を享受する国に暮らす僕が、ぬるま湯に浸かりながら語れる問題ではない。宗教もイデオロギーも異なる国民が、無責任に批判できない極めてデリケートな問題。故に、一人の女性の生き様として考えてみるとその境涯は、絶句以外に言葉が見つからないほど苛烈を極めている。救われた現在でも抱くトラウマと恐怖は察するに余りある。真実の前では、小説はあまりにちっぽけに見える。しかしこの真実は、小説以上に奇蹟の累積によって築かれた。ジャックリーヌや夫のアントニオや3人の子供達や彼女を取り巻く全ての人々の愛が奇蹟を生んだ。

2016/03/21

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