ジム・モリスン詩集: 「神」「新しい創造物」
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ジム・モリスン詩集: 「神」「新しい創造物」 / 感想・レビュー
Y2K☮
一番好きなCDは、という質問には悩んだ末にザ・スミスの「クイーン・イズ・デッド」と返す。一番好きな曲は、と問われたら、熟考した後にレディオヘッドの「クリープ」か。誰か一番好きなヴォーカリストは、と訊ねてくれ。一秒要らない。ジム・モリソン。でもロックスターとしての眩い成功は彼にとって次善策に過ぎなかった。誰もが羨む美男美女との結婚が必ずしも幸せとは限らぬ様に。本当になりたかったのは詩人。今作に彼のヴォーカルやリリックほどの魔法は潜んでいない。でもジムはこの詩集が出版された際、本を抱き締めて泣いたらしい・・・
2016/05/15
Y2K☮
今年はジム・モリソン(本の題はモリスンだけどこちらの方が馴染み深い)生誕80年。もはや歴史上のロックスターだが生きていても不思議ではない。80歳の彼はきっと象徴的な詩を静かに綴っているだろう。ドアーズの事はたまに思い出す程度でごく稀にファンの前に姿を現す。そんな姿も見てみたかった気がする。ここに収められている作品には、良くも悪くもバンドの香りはほぼ皆無(一部の楽曲を連想させるフレーズがあるのみ)。こういう大人しい人が何かのタイミングでセックスシンボルや反体制のカリスマにされてしまう。幸福だったと思いたい。
2023/04/15
Y2K☮
「神」の方がまだ散文的で理解が及ぶ。映画、視線、イメージに関する考察。「新しい創造物」はまるで骨組みだけの小説。秋の蚊に刺されたような痒みの続かぬ言葉が並ぶ。キーワードはソフトパレード。ハードボイルドでソフト。ハードなのはジム独りで他はゆるやかなつながり? 酔っていたのだろう。アルコールが彼を詩人に導いた側面と詩人から遠ざけたパーセンテージを比較したい。最近ドアーズの「ライダーズ・オン・ザ・ストーム」がよく頭に浮かぶ。あれも詞だけ読むとさわりだけの映画。何かが始まる予感で終わり永遠に生きる。惜しくて完璧。
2020/10/05
葛
「神」「新しい創造物」収録 原詩収録 篠原一郎訳 発行者、村山恒夫 発行所、新宿書房 装丁、ED.studio矢野徳子+島津デザイン事務所 印刷所、理想社+モリモト印刷 製本所、松岳社青木製本所 2005年10月31日第1刷 旧版1985年一風堂 あとがき1993年1月
2017/09/16
yoyogi kazuo
今年はジム・モリソンの没後50年と言うことで、海外では書き物をまとめた全集のようなものも出ている。これはジムが生前に私家版として出版した詩集。原文も掲載されているのが嬉しい。この訳文もいいのだが、改めて自分なりに翻訳してみた。「神 The Lord」の方はアフォリズム集で、一種の評論としても読める。部分的に興味深い洞察が詰まっている。「新しい創造物」の方はより抽象的でポエム。
2021/11/09
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