第20回「坊っちゃん文学賞」田丸雅智✕夏井いつき特別対談 ──アイデアで魅せる! ひろがることばの世界
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年9月号からの転載になります。
松山市が主催する「坊っちゃん文学賞」は今年で20回目、そしてショートショートの文学賞として生まれ変わってから5回目を迎える。審査員長で松山市出身の田丸雅智さんと、俳都松山大使で俳人の夏井いつきさんが語り合う、それぞれの「種まき」、そして「ことばと文学のまち」から発信する思いとは────。
取材・文=河村道子 写真=干川 修
坊っちゃん文学賞とは? 正岡子規を生み、夏目漱石の小説『坊っちゃん』に描かれた文学の街「松山市」が主催する本賞は瀬尾まいこや中脇初枝など、人気作家を世に送りだしてきた。第16回からショートショートの文学賞としてリニューアル、今年で20回目を迎える。前回は応募作が7000作を超えるなど、大きなもりあがりを見せている。
田丸 俳句のタペストリーが商店街にはためいたり、至るところに句碑があったり。僕は大学入学を機に故郷・松山から東京へ行ったのですが、外に出て、実感したのが、松山はことばの多い街だなということ。ことばが多いとうるさく感じてしまいがちですが、この街には…