水に沈む羊 山田航第二歌集
水に沈む羊 山田航第二歌集 / 感想・レビュー
ロア
とてもヒリヒリする歌が多い。どの歌からも、暗く湿った灰色の空や街が垣間見えるようでした。寒い冬の夕方って感じ。穂村さんの詠む短歌や、選評した短歌しか読んだ事が無かったから、短歌って面白おかしくて可愛くて、ぽやや〜んとしてるものだと思ってました。全然違った。こういう短歌もあるんだなぁ。短歌を詠む男子高校生とか、いいかも。なんて思ったり。
2017/02/26
ちぇけら
自由研究 箒星掴み取りほかの星らを塵取りに詰めよ。イソジンを薄めないまま口にふくんで、夜のアスファルトにべーっと吐き出す。ポリエチレン・テレフタラートの容器にはいった無数の水の分子がたまらなく憎くて、きみの綺麗な平泳ぎのフォームを思いだす。前へ前へ、何もないところを切り拓くイメージよ、ときみは教えてくれた。水平線。25時の歌舞伎町も、クリスマス・イブの道玄坂も、かつては海だったことを知らないきみの背中は、濁った白を受けとめてくれない気がする。だからぼくの心臓は、ためらいがちに、スタッカートで鼓動する。
2019/08/09
ポテチ
回転数が落ちればやがて見えてくる迷子のままの君の世界が
2019/05/22
メイ&まー
始めるまでいかないもう一歩、ためらいがフォルテッシモで鳴っている。今この場で足踏みしている気持ちを読まれたような感覚。
2016/06/09
おはぎ
フォントや紙の種類・質を見るに、相当なこだわりを持って作られた本だとよくわかる。手によく馴染んで、よい。題もそうだが、水や海をモチーフとした作品が多かった。「裾上げで余ったデニムまとめあげ海と題して作品とする」
2023/02/26
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