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亡命ロシア料理 新装版

亡命ロシア料理 新装版

亡命ロシア料理 新装版

作家
ピョートル・ワイリ
アレクサンドル・ゲニス
沼野充義
北川 和美
守屋 愛
出版社
未知谷
発売日
2014-11-01
ISBN
9784896424584
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亡命ロシア料理 新装版 / 感想・レビュー

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zirou1984

「いい料理とは、不定形の自然力に対する体系の闘いである。おたま(必ず木製のでなければならない!)を持って鍋の前に立つとき、自分が世界の無秩序と闘う兵士の一人だという考えに熱くなれ。料理はある意味では最前線なのだ」はい先生!と思わず掛け声をあげたくなるが自分の食生活がバレたらグーパンで殴られそう。アメリカのファストな食生活に毒を吐き、母国の偉大な文明生活を皮肉というスパイスを塗しながら語られる本書は、バターを切るように知性が世界を切り開いており、料理本としてだけでなくエッセイ本としてもべらぼうに面白いのだ。

2015/04/12

ロア

ロシア料理への熱烈な愛(と、亡命先のアメリカへのちょっぴりの毒舌)に溢れたとても素敵な本でした。読み終えてしまうのが本当にもったいなくて毎日少しずつゆっくり読んだよ。どのエッセイも可愛らしさと勇ましさとユーモアに溢れていて、音読すると楽しさ倍増でした!例えばきのこの魂の話とか、読んだら誰しも吹き出さずにはいられないと思います( *´艸`)最後の乾杯の辞では、目頭が熱くなってしまいました。お祭り気分で胸を暖めているだけでもいいでしょう…って、なんて可愛らしいの!書いてるのはおじさん二人組なのに(笑)

2016/06/01

nina

70年代にソ連からアメリカへ亡命(移住)したユダヤ系ロシア人二人組による料理に関するエッセイ。世界でも有数の紅茶消費国であるロシア出身だけにお茶の入れ方から始まり、スープ、魚料理、肉料理、デザートまで、大雑把なレシピ紹介を交えてロシア料理の蘊蓄を現在の居住地アメリカのなっちゃない食物文化への批判を交えながら壮大に語りあげる。時おりユダヤの料理が織り込まれたり、フランスのブイヤベースやなぜか仲間意識を感じるというスペインのパエリアにまで言及するあたり、ロシアの味恋しと言えどもお口直しは必要ということか。

2015/02/11

Nobuko Hashimoto

これぞウィットとユーモア。ソ連からアメリカに亡命した男性二人組によるロシア料理への愛溢れるエッセイ。亡命してきたとはいえ、手をかけて生み出される故郷の味は恋しいもの。ファストフードな「南国」アメリカでそれを再現する難しさを、ちょびっと皮肉を効かせて綴る。各章のタイトルが文学作品のパロディだったり、各国の料理や国民気質を程よくイジったりと、知的な刺激に満ちている。笑える名言に付箋が乱立した。多分何度もひもとくな! 壺と木のおたまとサワークリームとウォッカを揃えて、ロシア料理を作りたくなる一冊。おすすめ!

2017/07/07

yumiko

とても不思議な気になる題名。亡命ロシア料理とは何ぞや?それは、思想的、人種的、宗教的な理由からロシアを遠く離れた人々が、異国での慣れない生活の中、揃わない材料に頭を悩ませながらも、故国を思いながら作らんとする懐かしの料理のこと。正直ピンとくるレシピは少ないけれど、それでも読んでいて楽しいのは、時に軽妙、時にシニカルな語り口が、まるでスパイスのようにピリッと効いて、思わずクスッとさせられるから。自虐的な表現にさえも、祖国への並々ならぬ愛を感じさせる、ユーモアと哀愁とに満ちた、素晴らしいエッセイ集。

2015/03/12

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