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世界が終わる夢を見る (Artes Mundi)

世界が終わる夢を見る (Artes Mundi)

世界が終わる夢を見る (Artes Mundi)

作家
亀山郁夫
出版社
名古屋外国語大学出版会
発売日
2018-10-03
ISBN
9784908523915
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世界が終わる夢を見る (Artes Mundi) / 感想・レビュー

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ケイ

中村文則目当てだったがそれ以外も読みどころ多し。亀山郁夫氏は、作家の作品の中に光るドス臭があれば余さず嗅ぎ出し、その作家の他の作品にもドス臭を求めに行く。彼が気に入った作家についての批評は、的確な文を用いてなされ、素晴らしいものだ。彼は、作家が自らとは違うドス作品の受容をしていても寛容だ。しかし、彼はそこから行き過ぎてしまうのではないか。ドスにしても、ドスを好む作家についても。批評を越え、その先のまた先を決めるように予想してしまう。このあたりが時に亀山氏がほかの批評家や研究者から非難される点かとも思った。

2018/08/26

ヒデミン@もも

タイトルがあまりにも叙情的だし装丁も素敵だし、『中村文則』で検索したらヒット。高村薫さんと平野啓一郎さんの名前も出てくるしと、いそいそと借りてきた。が、難しかった。亀山郁夫さんの専門はロシア文学でドストエフスキーの新訳をされた方だと。私がハルキストになれないのは、もうわかってる。中村文則さんとの対談が良かった。中村文則さんは、やっぱりすごい作家なんだと、改めて思う。新訳「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」読んでみる? 憑依は絶対ないと思う。

2019/12/10

おさむ

亀山センセイ絶好調。コンセプトは「終わりへの想像力」。中村文則、平野啓一郎、辻原登、高村薫ら錚々たる作家たちとの対談が熱い!亀山センセイの溢れんばかりのドストエフスキー愛を徹底的に説く姿は説教師です。ただ作家達もどこかでドストエフスキーから影響は受けており、隠された背景が見えてくるのが興味深い。高村さんの「これから世の中が厳しくなるほどもっと共感するものが求められる。癒されたり、慰められたり、元気が出たり調和的な空気が満ちていく。しかし、作家は距離を置き、1人で立っていなければならない」との言葉が潔い。

2018/09/14

echo.

1Q84の評を読んで腑に落ちた経験がなかったが、亀山先生の解釈は一番フィットした。小説は「読んで自分で考える」しかない(書いてあることが過不足なくその世界なのだから)ものなので、評や考察は別の作品として読むのだが、それでも「違うと思うな」はまだしも事実誤認というかあからさまな誤読には白けることも多い。ここにはそれがない。中村文則は非常な苦手意識があって読まずにいたのだが、亀山さんが好きというなら読んでみようか、という気になった。

2017/01/07

247

ドストエフスキー作品内の分析だけでなく、現代におけるドストエフスキーの読み方を私も考えたいと思う。一貫して神の不在や父性を基軸とした作品を書いているが、明らかに21世紀の現代、犯罪に対する意識、衝撃度(父親殺し、自殺等)が確実に薄くなっているのは否めない。私が現代に生きる、スマフォ世代の若者だからなのか、亀山先生のおっしゃる、現代人のもつ「神の視線」に関する部分は首肯し難い部分もないことはない。様々な問題提起を私にもたらした一冊。

2017/01/30

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