「下から」歴史像を再考する: 全体性構築のための東アジア近現代史
「下から」歴史像を再考する: 全体性構築のための東アジア近現代史 / 感想・レビュー
BLACK無糖好き
民衆の描かれないグローバル・ヒストリーが「大きな物語」を独占している状況に対し、改めて民衆を主体に描き、かつ全体性を喪失しない、個別と全体との間の緊張関係を伴った歴史を構築し直すことを目的として、本書には17本の論考がおさめられている。日本・朝鮮・中国での、権力側から排除され不可視化された領域を丹念に拾い集める試みがなされている。中でも川上音二郎や宮武外骨に関する論考は非常に興味深い。ただ、個々の題材はかなり専門性が高く、自分のような一般読者には些か敷居が高い印象。近現代史研究者向け。
2023/06/03
感想・レビューをもっと見る