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韓国の「街の本屋」の生存探究

韓国の「街の本屋」の生存探究

韓国の「街の本屋」の生存探究

作家
ハン・ミファ
渡辺 麻土香
石橋毅史
出版社
クオン
発売日
2022-05-31
ISBN
9784910214344
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韓国の「街の本屋」の生存探究 / 感想・レビュー

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ケイティ

とても丁寧でわかり易く、何より韓国の書店史が日本と共通する事が多くて大変興味深かった。日本に増え始めた独立系書店やサブカルに影響を受け、雑貨販売やカフェも並行するなど、試行錯誤を繰り返す。1987年に民主化した韓国は、書店はとかく反体制の目の敵だったこともあり、アンダーグラウンドで進化していたものの、娯楽というには日本より遅咲きだったのでは。他の産業同様、展開のスピードは急速で、廃業や新業態を繰り返して書店は進化し続ける。読者と対話してこその書店は、本好きより人好きでないと務まらないとは大いに納得です。

2022/07/08

緋莢

図書館本。2000年代末から、新たな形態の〝本屋”が出来た始めた韓国の「街の本屋」について書いたノンフィクション。前置きとして、この本の中では「本屋」と「書店」が使い分けられており、「本屋」は<2000年代以降に登場、地域に根差した小規模の店を営む独立書店や街の本屋>のことで「書店」は、<それ以外のほぼすべて>とのこと。<本屋が生き残るには、いっさいの割引をしない『完全図書定価制』の導入が必要不可欠だ。割引やポイントサービスで他店と張り合う必要がなくなれば最低限の利益は確保できる>(続く

2024/01/21

冬佳彰

韓国の本屋さん事情。問題ありの再販制含め、日本の状況と結構似ている気がする。業界自体の不況。それにも関わらず、独立系の小規模書店は増えているという感じ。書籍は儲からないと見切りをつけた資本が去った後に、独立系の本屋さんがポコポコ発生しているという状況か。しかし厳しさが変わるわけでもなく、本屋とカフェや雑貨、コミュニティの場など、プラスアルファで独自性を出し、顧客を引き付けようと努力している。韓国の色々な形の本屋さんが紹介されていて興味深い。(続く)

2022/08/24

チェアー

本で繰り返される「本は商品でもあるが文化でもある」との一文には複雑な気持ちがある。そうであって欲しいと願う気持ちと、そうじゃないんじゃないかいう気持ちと。本に特別な文化性を認めてしまうことで、商品としての本に幻想性が生じないか。 韓国では新しい本屋が次々と生まれ次々と閉店している。新しいものを生むバイタリティーがすごい。考えるよりまずやってみる、そういう精神があるのかもしれない。

2022/08/14

qoop

電子書籍の勃興など、出版文化の変動期を迎えているという点では日本も韓国も同じ。魅力的な独立系書店が増えている/目立っているのもやはり同じ。しかし韓国は、民主化を宣言して未だ半世紀経たず、表現や出版の自由が担保されてから決して長いとはいえない。そこから考えると、注目の書店事情も、日本など他国の独立系書店との共通点よりそれを下支えする意識の違いにこそ目を向けるべきなんだな、と。

2022/07/23

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