のび太に学ぶ!? 子どもを本好きにする方法・本嫌いにさせる方法 『小学一年生』編集長の未来はぴっかぴか♪ 第2回

出産・子育て

2018/4/6

 4月! 春うらら♫ いよいよ新入学・新学年ですね。社会人のみなさんも新環境になる方もいることでしょう。そんなスタートの季節に送る『小学一年生』5月号はこちら! ふろくは「ひらがな アンキパンメーカー」です。じゃーん!

※写真は付録を使った作例です。パンと皿は付録ではありません。

 アンキパン! 『ドラえもん』作中には1話しか出てこないにもかかわらず何故か超メジャーなひみつ道具。食べるだけで書いてあることは労せず覚えられるという機能が、多くの人の心を掴んでいるのでしょう(デモ排泄シタラゼンブワスレチャウンダケドネ)。そんなアンキパン気分が味わえるアイテム! 早くもSNSなどでは大人の方々にも話題のようです。

 5月号本誌記事では「あそぼう!もじモジ!」をはじめ、「文字特集」。付録のアンキパンと合わせて、「文字で遊んじゃおう」というのがコンセプトです。

 ということで、今月のコラムのテーマは「国語」。よく寄せられる質問である「子どもを本好きにするにはどうしたらいいか」を考えてみます。

子どもを「本嫌い」にさせる簡単な方法。それは「本を読め」と言うこと

 子どもを本好きにするには…と言いながら、まずあえて、子どもを「本嫌い」にさせる方法を考えてみましょう。

 もっとも有効なのは「本を読め」と言うことです。

 しかも「この本を読め」と指定したら、もっと有効。

 さらに「読んだら感想を教えなさい」まで言っちゃったらもう完璧。本嫌い養成1級レベルです。

 本を読むのが「義務」になってしまったら楽しいわけがない。今、全本好きがうなずいてますね。じゃあ学校の「感想文」なんてどうなのよ!と思うでしょうが、そーなんです。個人的にはあれは、やり方を間違えると本嫌いを養成する装置になってしまうので注意が必要です。(感想文の話はまたいつか)

 アンキパンメーカーつながりで、『ドラえもん』で考えてみますよ。

 のび太くんは、パパやママ、さらに先生からも「本を読め」とよく言われてます。「漫画なんかじゃなくて、文字の本を読め」、しかも「偉い人の伝記」とジャンルまで指定されたり。でも、そんなことで子どもが本好きにはならないのは、のび太を見ていればわかるとおり。

 ここまで読んで、「のび太なんて、何したって自分から字の本なんて読まないだろ」と思ったあなた。ぜひ、てんとう虫コミックス『ドラえもん』27巻(小学館)を読んでください。収録されている『人間ブックカバー』という話のラストシーンでは、ママから「もう寝なさい」と促されても、机に向かって集中して本を読み続けるのび太の姿が…! 

 はたして、どんな手を使ったら、あの、「漫画は大好きだけど、字の本は見るだけで頭がズキズキする」というのび太を読書に引き込むことができたのか?

声に出して聞かせる、「読み聞かせ」が効く

「人間ブックカバー」は、本の形をしたひみつ道具。その人が読んだ本のタイトルを書いて人にかぶせると、詳細まで思い出しながら語りきかせてくれる、という道具です。人間オーディオブックみたいなもんですね。自分で字の本を読むのが面倒臭い(というより体質的にできない)のび太は、出木杉くんに「人間ブックカバー」をかぶせて読み聞かせてもらうことにします。

 出木杉くんのオススメで選んだ本は、ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』。話が始まると、ドキドキの展開に、のび太は前のめりになって集中して聞き入ります。続きが気になってしょうがないのび太。しかし喋りづめだった出木杉くんの声が枯れてきてしまいこれ以上は喋れない…、となったとき、のび太はどうしたか? 出木杉くんから本を借りて、自分で読みはじめるのです。読み出したら、ママの声も耳に入らないほどの集中ぶりで!

 このお話には、子どもを読書好きにするための秘訣が描かれています。藤子・F・不二雄先生は教育の専門家ではないですが、さすが物事の本質がよくわかってらっしゃいます。

 まずひとつめは「読み聞かせ」。

 まだ小さい子どもにとっては、文字を追いながら同時に内容を理解していくのは、実はかなり高度な作業なのです。よく、「もう字が読めるんだから自分で読みなさい」と言う親御さんがいますが、「字が読める」ということと「内容がわかる」ことは必ずしもイコールではありません。英語を習い始めたころ、文字面を読めたからといって内容がすんなり頭に入ったわけじゃないでしょう。それと同じです。

 子どもにとって、読書の入り口として「読み聞かせ」が大切なのはそのためです。読み聞かせなら、文字を追う必要がないので、耳から入ってくる物語だけに集中できます。

漫画だって、絵本だって、読書です

 次のポイントは、のび太は漫画は大好きだ、ということです。漫画が好きだということは、「物語に引きこまれる」素養が培われているということです。

 世の中には、字の多い本のほうが絵の付いている本より高度だ、ましてや漫画なんて…と思う方がいるかもしれません。でも、漫画にも絵本にも、大人も引き込まれるものが多数あります。ダ・ヴィンチ読者ならよくご存知ですよね。おもしろいと思えるものなら、絵の量、文字の量は関係ありません。

 本は「教材」として存在しているのではなく、「娯楽」としてそこにあるのです。「小学生になったら絵本は卒業」なんてとんでもない。高学年になってももちろん、ましてや低学年のうちは、絵本もどんどん読んでいいのです。

(そんな思いから『小学一年生』編集部でも絵本シリーズ「ぴっかぴかえほん」を刊行しております。詳しくはこちら

 絵本だって、漫画だっていいし、テーマだってなんでもいい。大切なのは「本を読んで、楽しいときを過ごす経験」です。

 とにかく、子どもが自分から手に取る本を読ませてやりましょう。まちがっても、「ええ?そんな本読むの?」などと言ってはいけません。それは、子どもを「本嫌い」にする有効な方法です。

文字や言葉は最高の遊び道具! 『小学一年生』5月号で文字で遊ぼう!

 そんなわけで! 新入学の1年生で、本好きになってほしい、というお子さんにはぜひ『小学一年生』5月号をお渡しください。

 ロングセラー『声に出して読みたい日本語』やEテレ『にほんごであそぼ』総合監修などを手がける齋藤孝先生に、5月号の保護者向け記事でインタビューしたのですが、その際にもおっしゃってました。「文字や言葉というのは、人間にとって、最高の遊び道具なんです」と。甚だ手前味噌ではありますが、それを体現していますよ!

 付録の「アンキパンメーカー」は、ひらがな50音と数字が刻印できる、スタンプみたいなアイテム。昔の活版印刷みたいですね。ひみつ道具気分を味わって、どんな文字を刻印しようか自分で考えるのも楽しいですよ!(注:食べた文字を記憶する機能は21世紀初頭の技術では搭載できませんでした。自己負担にてお願いします。)

 本誌の文字特集「あそぼう!もじモジ」には、あのタイポグラフィユニット、大日本タイポ組合さんが登場! 似顔絵文字、文字迷路、街での文字探し、ダジャレなど、文字での遊びネタを全力で提供します!

 そして、連載『アベベのぼうけん』。4月号のアンケートでも早くも大人気です! 指示に従ってすごろくのように進んでいくうちに、物語ができあがり、プログラムの考え方もわかっちゃう「プログラムすごろく」! NHK『ピタゴラスイッチ』や『考えるカラス』そしてシリーズ累計100万部突破の大人気絵本『コんガらガっち』 などを手がける、佐藤雅彦さん・石澤太祥さん・貝塚智子さんによる斬新な企画に大人も注目です。

 そのほか、なかなか見られない給食室での調理にも密着した「おいしい!きゅうしょく」や、ランドセル工場見学、連載の「工作」「実験」「料理」などなど盛りだくさん!

 内容にはものすごく力を入れてますが、文章とビジュアルは、6歳の子が読みこなせる易しさととっつきやすさを心がけているのが『小学一年生』の魅力です!

 5月号が発売中ですが、4月号も入学ドンピシャ時期なので、多くの書店で併売されています! 先日、地元の書店さんを挨拶回りしたところ、併売を待たずに売り切れになっているお店もありました。おかげさまで旨い酒を飲めております。ひきつづきよろしくお願いします。

©藤子プロ・小学館
引用画稿:てんとう虫コミックス27巻『人間ブックカバー』より

『小学一年生』5月号発売中!

『小学一年生』5月号

渡辺朗典
子どもの本を作りたくて小学館に入社。希望かなって『小学四年生』『ちゃお』『小学一年生』『ドラえもんふしぎのサイエンス』を経てふたたび『小学一年生』に戻り現職。趣味は工作。3人の子持ちでこの春から末の娘がぴっかぴかの小学1年生です。写真はウチの子ではなくて、小一モデル2018グランプリの2人です。『小学一年生』の最新情報はこちらから!

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