わが子を福山雅治だと思えば、感想文・作文の指導はうまくいく!

出産・子育て

公開日:2018/8/16

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読書感想文の指導は、我が子を福山雅治だと思え!?

 さて、夏休みも気がついたら数日過ぎて。

 前回は、夏休みのお悩みのひとつ、「自由研究」について書かせていただきましたが、夏休みのお悩みといえば、もうひとつ。

 「読書感想文」ですね~~。

 今回も、小学生の子をお持ちの親御さんのために、指導法をお伝えします。えらそう? でもある程度言い切らないと説得力ないから言い切りますよ。

 読書感想文は、絶対に、低学年のうちに親が関わった方が良いです。なぜかというと、高学年になってから関わると親もめんどうくさいから。低学年のうちに指導して、自分で書けるスキルを身につけてもらえれば、高学年以降が楽ですよ〜。

 低学年なら、読む本もまだ薄い。絵本とかでもOKですから、親が読むのも楽です。これが高学年になるとけっこう長い物語を読むことになるので、親が付き合って読むのも大変です。数年後に楽をするために、低学年をお持ちの親御さんは今こそ手間をかけるべきです!!

 さて、そこで今回のタイトル。「我が子を福山雅治だと思えば、感想文・作文の指導はうまくいく!」

 なんで読書感想文に福山雅治さんが関係あるんだよ〜? いやいや。ちょっと聞いてください。僕は、福山雅治さんのあるエピソードを聞いて、「これは子どもの読書感想文の指導と同じじゃん!」と思ったのです。

福山雅治の初のラブソングは、尋問(?)でできあがった!?

 テレビ朝日の『関ジャム完全燃SHOW』で福山雅治さん本人が話していたこと(2017年9月10日放送分)。福山さんがまだブレイク前、歌手デビュー3年目のときの話です。

 ドラマの挿入歌として「ラブソング」を書け、とオファーを受けた福山さん。でもそれまでラブソングなんて書いたことなかった。もっとロックなものをやりたかったし、スローバラードでしかも恋愛の歌なんてどう書いたらいいかもわからなかった。でも、売れるためにはラブソングも書かなきゃいけない。曲はなんとかできた。でも、歌詞がどうしてもできない。

 そんなとき、紹介されて関わってくれたのが、音楽プロデューサーの木崎賢治さん。沢田研二さんから槇原敬之さん、BUMP OF CHICKENなどのプロデュースもしている方です。

 渋谷のカフェで、木崎さんが福山さんに、まるで尋問のように?インタビューのように聞いていきます。

 「福山くんは、女の人を好きになったらどうなるの?」
 「大切に思って、してあげたいことが増えていくんですよね」
 「うん、それいいと思う。それ、書いて」

 そう言われて、とりあえずそれを書き留める福山さん。

 「その次はどうなるの?」
 「やっぱり、自分のことをわかってほしくなります」
 「わかってほしくなって、どうなるの?」
 「わかってほしくなったら…。自分の好きな場所とか気に入っているところとかに連れていきます」
 「それもいいと思う。それも書いて」

 そう言われて、ずっとそんなふうに、聞かれたことに答えてそれを書いていったら、1曲分の歌詞ができあがってしまった。

 そうしてできた曲が『Good night』。この曲は、福山さんにとって初の、オリコンシングルチャートTOP10入りを果たすスマッシュヒットになりました。

 これ、福山ファンにとっては有名なエピソードなんでしょうけれど、僕はこの『関ジャム完全燃SHOW』で初めて知りまして。

 すげーー、と感心するとともに、「あ、これ、子どもに読書感想文の指導するときといっしょだ!!」と気づいたのでした。

親は、プロデューサーたれ!

 このポイントは以下の2つです。

1.あくまでも本人の中にあるものを汲み上げてあげること。
2.本人に、やり方をつかませること。

 プロデューサーは、質問をするだけ。否定もしないし、へんに誘導したりしてはいけない。本人の中にあるものを汲み上げて、それに「いいね!」と言ってあげることが重要です。

 福山さんにとっても、この木崎賢治プロデューサーとの体験によって、ラブソングに開眼したのは間違いないようです。ラブソングに限らず、実際、その後も詩を書くときに自分でこの手法を使っているそうですし、ほかのアーティストをプロデュースするときにも同じ手法を使うそう。つまり、この体験がなければ、今のヒットメーカーである福山雅治は無かった…と言っても過言では無いはず。

 ここで、まちがっても焦って「オレが書くよ」なんて言っちゃったらその場で1曲ラブソングはできたかもしれないけど、その後の福山雅治は無いわけです。あくまで、本人が自分の中にあるものを出して、形にするやり方を覚えることが重要なのです。

 親が目指すのは、そこです。

 親は、プロデューサーたれ。

 親御さんが木崎プロデューサーのように関われば、お子さんは福山雅治のようなヒットメーカーになれるかもしれない! いやヒットメーカーにまでならんでもいいけど、読書感想文ぐらいなら、自分で書くやり方を会得できるはず!

メモ用紙を用意して、我が子を福山雅治と思ってインタビュー!

 実際、我が家では小学1年生2年生のときにこれをやっておいたおかげで、長男も次男も中学年以上では親の手を煩わせることなく、自分で勝手に書いてくれるようになりました。らく〜〜!

 この夏もうちの娘(小学1年生)を相手に、このやり方を実践。画像は娘直筆のメモ(うちではミスコピーの裏紙を使ってます)。それを内容に合わせて順番に並べ替えている途中です。

 子どもにインタビューをしながら、「それ、いいね」ということをメモしていきましょう(1年生ぐらいなら、メモを書くのは本人でも親でもかまいません)。

 ある程度メモがたまったら、それを内容ごとに並び替えれば、もうできあがりです。ここで、使わないメモも出てきますが、それも気にしない。文章を推敲するということはそういうことです。

 大事なのは、あくまで子ども本人の中から出てきた感想を使うこと。これを一度やると、子どもにも達成感と自信が得られるはずで、読書感想文だけでなく、作文でも同じやり方が使えます。

 賞を獲るような読書感想文が書けるかどうかはまた別ですが、少なくとも自分で書ける子にはなるはず。そして、書くことを苦と感じない子にもなってくれるはずです。

 「感想文なんてどう書いたらいいかわからない」と言っている我が子がいたら、「この子は『Good night』以前の福山雅治なんだ」と思いましょう。渋谷のカフェとは言わないけど、リビングでお茶とジュースでも飲みながら、さあ我が子にインタビュー。

夏真っ盛りにオススメの、『小学一年生』9月号!

 付録は「プログラムぜんまいサーカス」! プログラムぜんまいって何だ? と思われる方にこそ、ぜひ体験していただきたい。ぜんまい大好きな僕が、「ぜんまいが1個あれば、そうとう遊べる!」というのを体験してほしかった企画。かなりおもしろい動きで遊べます! その動きはこちらの動画から。もしくは、最初に紹介したように、ARで表紙の上で付録が動くところを見られます! こちらのデジタル付録もぜひ体験を!

 特集は、夏らしく「シロイルカ」。そして「深海生物」。科学実験は「氷の実験」。

 「わくわく工作」は夏休みスペシャルで、ちょっと凝った「ガチャマシーン」にも挑戦してみましょう。簡単に作れて夏休みの工作としても提出できそうな「むぎゅむぎゅ人形」もおすすめです。

 そして大人気『アベベのぼうけん』。「ピタゴラスイッチ」の佐藤雅彦さん、「考えるカラス」の石澤太祥さん、「こんガらガっち」の貝塚智子さんが送る、プログラムすごろく。楽しく遊んで読んでいるうちに頭が良くなる…ってこういうことなのね!と親御さんから、各業界から大注目の連載を体験してください!

 読書感想文を書き終えた我が娘、原稿書いてる僕の横で余裕こいて漫画読んでます。おまえ、まだ自由研究やってないこと忘れてるだろ〜〜?と思いつつ。休息することも漫画読むことも大切よね! 良い夏休みを!

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『小学一年生』9月号

渡辺朗典
子どもの本を作りたくて小学館に入社。希望かなって『小学四年生』『ちゃお』『小学一年生』『ドラえもんふしぎのサイエンス』を経てふたたび『小学一年生』に戻り現職。趣味は工作。3人の子持ちでこの春から末の娘がぴっかぴかの小学1年生です。写真はウチの子ではなくて、小一モデル2018グランプリの2人です。『小学一年生』の最新情報はこちらから!

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