白岩瑠姫さん(JO1)が選んだ1冊は?「マンガで泣いたのは、これが最初で最後。ラストは涙が止まりませんでした」

あの人と本の話 and more

公開日:2023/8/12

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年9月号からの転載になります。

白岩瑠姫さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、JO1の白岩瑠姫さん。

(取材・文=野本由起 写真=諸井純二)

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 ひとりの少女の事故死をきっかけに、疎遠になった幼なじみたち。彼らの喪失や後悔、再生を描いた通称『あの花』は、2010年代を代表するヒットアニメだ。だが、白岩さんはアニメではなく、マンガからこの作品に入ったという。

「中学生の頃、父親に勧められて読みました。主人公のじんたんは、引きこもりの高校生なんですけど『お前、じんたんっぽいぞ』って(笑)。最初は『え、こんなに地底人っぽい?』と思いましたが、読んでみたらすごく泣けて。マンガで泣いたのは、これが最初で最後。特に、ラストは涙が止まりませんでした。まだこの作品に出合えていない人は、本当にもったいない。全3巻で読みやすいですし、どの世代にも刺さるので、ぜひ読んでほしいです」

 高校時代は友達の影響で、少女マンガにハマっていたこともある白岩さん。切なく心を揺さぶる作品が好みだそう。

「夕焼けの色、終わり際のテーマパーク、夏祭り……。何かが終わりそうな、儚くて切ない雰囲気が好きで。映画を観る時も、感動できそうな作品を探すことが多いです。ただ、大人になるにつれて泣けなくなってきて。……どうしたんでしょう(笑)」

 そんな白岩さんの初主演映画は、純度100%のラブストーリー。

「僕らのパフォーマンスもそうですが、作品を通して感動を与えるってすごいこと。演技で人の心を動かせたのなら、とてもうれしいです」

 白岩さん演じる青磁は、マイペースで絵を描くことを愛する高校生。マスクで本音を押し隠す茜に対し、苛立ちを抑えきれずにいる。

「青磁は自由人ですが、陰があって繊細。周りを見て行動するので、茜のように悩んでいる人を放っておけないんです。根本には愛があるのに、伝え方が不器用なんですよね」

 自身も、青磁と似ているところがあるという。

「自分に近い役柄だからこそ、過剰に役作りをすると不自然になる気がして。監督とも相談し、自分を捨てずリラックスして演じました。中でも共感したのは、『時間は永遠じゃない』というセリフ。僕がステージに立つ時も、常に『もしこれが最後だとしても後悔のないように』と思っています。撮影終盤は青磁に馴染んできて、茜と自転車でふたり乗りするシーンでは『青磁ならこうするな』というアドリブも。JO1の活動とは違う新たな一面を出せたので、ぜひ観にきてほしいです」

ヘアメイク:佐々木美香 スタイリング:増田翔子 衣装協力:イヤカフ1万7600円(ベベット)、ネックレス2万8600円(ヒロミ.エー)、右手人差し指に付けたリング2万2000円(maaa/すべてロードス TEL03-6416-1995)、左手中指に付けたリング2万9700円( e.m./e.m.青山店 TEL03-6712-6797)、その他スタイリスト私物

しろいわ・るき●1997 年、東京都生まれ。グローバルボーイズグループ「JO1」メンバー。最新曲は『NEWSmile』、本作の主題歌も担当。8月からアリーナツアーを予定。個人では『JO1のオールナイトニッポンX(クロス)』のメインパーソナリティ。22年、JO1主演ドラマ『ショート・プログラム』に出演。

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『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(全3巻)
超平和バスターズ:原作 泉 光:漫画 集英社ジャンプC 497~517円(税込)*電子版のみ購入可
小学生の頃、「超平和バスターズ」を結成した仲良し6人組。だが、そのうちのひとり“めんま”の死をきっかけにバラバラに。やがて高校生になった“じんたん”のもとに、突然めんまが現れる。彼女の願いを叶えるため、かつての仲間が再び集まるが。大ヒットアニメのコミカライズ作品。

映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』

映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』

原作:汐見夏衛『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』(スターツ出版 刊) 監督:酒井麻衣 脚本:イ・ナウォン、酒井麻衣 出演:白岩瑠姫(JO1)、久間田琳加 配給:アスミック・エース 9月1日(金)公開
●マスクが手放せず、周囲の空気ばかり読んでしまう優等生の茜。自由奔放で絵を描くことを愛する青磁。正反対のふたりが、次第に惹かれ合うピュアラブストーリー。
(c)2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会