数多のライブと自らの本質をつかんだ5thアルバムを経て、「成長」を示した新曲“Growth Arrow”――OLDCODEXインタビュー

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公開日:2018/2/13

「目の前にいるお前らに向かって、すべてを出し尽くす。そして、すべてを出し尽くさせてやる」――OLDCODEX=ボーカル・Ta_2とペインター・YORKE.のふたりが鳴らしている激しくも楽しい音楽は、ビジュアル面も含めて圧倒的なパフォーマンスは、そういう気概と覚悟と熱量に満ちている。だから、彼らが、彼らにしかできないやり方で果敢にステージに挑み、その結果生まれるライブ空間に身を委ねるのは、めちゃくちゃ気持ちがいい。そんなOLDCODEXによる15枚目のシングルは、4月放送開始のTVアニメ『Butlers~千年百年物語~』の主題歌にもなっている『Growth Arrow』(発売中)。「あの頃の俺たちはどこに行った?」という問いかけから始まり、密度の濃い制作を経て「OLDCODEXの本質とは何か」をつかみ取った5thアルバム『they go, Where?』をリリースしたのが、昨年の7月。「成長」をタイトルに掲げた今回の新曲には、ワンマンライブのみならずさまざまなフェスにも出演を果たし、さらに進化を遂げてきたOLDCODEXの現在が刻まれている。ふたりとは、以前から何度も話をさせてもらっているのだが、ダ・ヴィンチニュースへの登場は、今回が初めて。最新シングル『Growth Arrow』の手応えを聞くとともに、「OLDCODEXとは何であるのか」というテーマも設定し、語ってもらった。

一番近くにいる俺は、YORKE.の一番のファンだと思ってる(Ta_2)

――“Growth Arrow”、一言で言うとめちゃくちゃカッコいいですよね。

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Ta_2:おっ、嬉しいなあ。

――この取材の段階では、まだライブでも披露していないということで、手探りな部分もあると思うんですけど、今の段階で感じていることを聞きたいと思います。

Ta_2:前回のアルバム(『they go, Where?』)をとにかく短期間で作ったことが、すごく大きくて。自分たちの中にあるものを一回全部引っ繰り返して、不安も希望も全部出した上でまた次に行こうっていう1枚になってたので。今回は、アニメーションのタイアップっていうところで、しっかりそこと向き合ってみよう、もう一回足元を見てみよう、みたいな。自分たちと合うものを模索しながら作りたいと思ってたから――なんだろうなあ、自分の中では久しぶりに、「どう受け取ってもらえるんだろう?」っていうところが、少し不安だったりもして。

――「不安」というのは意外な言葉ですね。

Ta_2:まる8年、今は9年目に突入して、ボーカルとペインターの組み合わせも徐々に、いろんな人たちに受け入れてもらえつつあるところもあったけど、それ以外の人たちにもしっかり見てほしいし、自分たちもそこに目を向けなければいけないし。そういうことを考えながら動いてきて、その上で自分たちが得るものや失うものもいろいろ経験してきて。そこでまた自分たちの土台をよく見て、どうやって次に動こうかと思ったときに、今持ってるものがどんどん手の中で見えてきたから。今回は特に、90秒のアニメーションのオープニングにちゃんとなり得る曲にしたいっていうのがあったし、ウチにも絵描きがいるように、アニメーションのオープニングもアニメーターっていう絵描きが作り上げるもので、そこにちゃんと寄り添ってあげたかったから、絵をイメージしやすくて、セクションがしっかりわかる曲を作りたいっていうのがまず念頭にあって。そういうシンプルさに久々に向き合ってみて、いいものはできたけど、いつもより手数的にはちょっと少ないから、俺の中でもの足りなく感じてしまうところもある、みたいな(笑)。といって、やり切った感がないわけではなくて。新たな一手として進んでいく上で、一回シンプルに削ぎ落としたかったんだよね。削ぎ落とした状態で次どんなことかできるのかとか、そういうことをすごく考えるようになったし、その分視野が広がったのかなあっていう気はするんだけど。

YORKE.:今回、アニメーションの制作がちょっと遅れたっていうところで、共有できるテーマがあまり明確じゃなかったので、歌詞に関しては難しさを感じてましたね。なので、主題歌としてだけじゃなく、聴いてくれる人にどこか寄り添える部分、共感してもらえる場所はどこだろうなあ?っていうことを探しながら、サウンドに合わせて言葉を選んでいったっていう。新しいチャレンジというよりは、今までOLDCODEXがやってきたことをさらにグレードアップして出していけるといいなあって思ってましたね。

――まさにふたりが言ってくれたことと、“Growth Arrow”に感じることは一緒で。正直、この曲を聴いて、「新しいチャレンジだな」とは思わなかったんですよ。「OLDCODEXの音楽ってこれだよね」っていう感じと、地肩が強くなった感じがする。そして、広く届く音楽に対して自覚的であるっていう。ちゃんと届けるために何が最適解であるのか、今まで以上にしっかり探した結果なんだろうな、と思って。

Ta_2:もう、まさに。2017年は、ほんとにライブをたくさんやらせてもらったから。地肩が強いっていう言葉も確かにだし、自分たちの骨が強くなった、筋肉ではなくて骨が太くなったなっていう感覚はすごくあって。各個人に求めるものだったり、自分が出したいものに対しての欲求だったり、ハードルはどんどん高くなってるけど、まずはそれを叶えたいから、ここではテクニカルなものは要らない、と思って。

――実際、作曲の引き出しがものすごく増えてるな、という印象はあって。出し惜しみもしてないし、この曲にとってのベストな答えはちゃんと注いであるけど、やれることはまだまだいっぱいあるぞっていう感じが伝わってくるというか。

Ta_2:たとえばレコーディングのときに、YORKE.が歌ってるラップのハマり方にしても、文字数はそのままで「こういう動き方をしたほうが面白いハマり方するんじゃない?」みたいな話をして、ラップをより活かす方向に符割を変えてみたり。そういうのは、やっていて楽しかったかな。レコーディングの機材にもどんどん自分のものが増えてきて、それも楽しかったなあ。やっと一式揃って、ここからまたどんどんいろんなものが増えてくるのかなあ、と。

YORKE.:もうTa_2はさ、スタジオ作ったほうがいいんじゃない?

Ta_2:ほんとにね(笑)。

――(笑)以前、YORKE.さんが「Ta_2のプロデューサーの目線も持っている」って話してたことがあって。機材や音の考え方にしても、その目線が備わってきてる感じはありますね。

YORKE.:もう、今はだいぶそんな感じですよ。活動の方向性にしてもそうだし、すごいなあ、と思う。で、俺は作ることだけに集中していて。作る以上のこと、それこそ世の中の評価とかは後からでいい、っていう考え方なんです。だけどTa_2は、その評価すら手中に収めたいっていう感じで。それが、聴いてくれる人にその通り届くといいな、って俺は願ってますね。

――機材の話も、「OLDCODEXの音楽はこうだろ」っていうビジョンがあって、その答えを出すために必要なものを自分の手元に揃えてるっていう話ですもんね。

Ta_2:そうそう、まさに。

YORKE.:ただ、選ぶものの単価が高い(笑)。たとえば、ライブで使う俺のペンキとか刷毛って8年間変わってないんですよ。なんなら、3本で298円、みたいな刷毛をずーっと使ってるんで。で、たまに「こういうの使ってみませんか」って高い刷毛を渡されたりするけど、全然上手く使えないわけ。なんていうのかなあ、緊張しちゃうっていうか。描く対象もベニヤ板でいいし、その素材の中で自分がどう変わっていけるのか、っていうチャレンジのほうが俺は楽しくて。でも、Ta_2は道具を自分なりに染めていくんですよ。その感じを見てると面白いなあ、と思う。それってキャラクターだし、個性ですよね。

――たぶん、「俺ら、いつも同じこと考えて、同じ方向を向いてやってますわ」っていうバンドだったら、OLDCODEXはこれだけ面白い存在にはなってないですよね。プロデューサー目線の人がいて、クリエイターの目線があって、それこそがOLDCODEXを形作るっていう。

YORKE.:うん、だいぶそうですね。俺は作ることに特化してるから、Ta_2の意見はすごく大事で。たとえばミュージックビデオでも、俺は監督に任せるから。で、最近はTa_2がそこの部分をやってる。で、当日ふたを開けたら、めちゃくちゃいろんなことをやらされるっていう(笑)。でもそういうときは、自分は道具のひとつでいいやっていう集中をしてるから。

Ta_2:映像に対して俺から言えることって、「俺とOLDCODEXの今を、より広い人たちにどう伝えたらもっと効果的に知ってもらえるのかな」っていうことなんですよ。フェスに行ったりすると、「なんで絵描きがいるのかよくわかんねえ」「あんまり絵描いてねえじゃん」とか言われるけど、フェスからワンマンライブに来た連中は「なんでペインターがいるかわかったわ」って言うし。

――未だに「なんでいるかわかんない」っていう話が出るんだ。

Ta_2:めっちゃ出るね。全然出る。

YORKE.:それね、俺はけっこうウェルカムな感じで。むしろ、それがなくなってくると不安。それって、なんでギタリストがギター持ってステージ上がってることにみんなは疑問を持たないのか、っていうことと一緒なんですよ。初めてギターに触った人が「この楽器をステージでみんなに披露したい」って思ったのと一緒で、絵もひとつの表現で。すごいシンプルでしょ? ステージに上がるまでも段階がたくさんあるし、簡単じゃねえぞっていうことをまずステージで見せられるから、それだけでも十分で。「照明浴びてるぞ、俺」「悔しかったら上がってこい」っていう。最近は、フェスをきっかけにライブに来てくれる人も増えてるので、そこでセットを見て「うわ~」って一瞬でもなったら、僕がいる意味があると思いますね。

Ta_2:俺の中で「YORKE.を見せるポイントってここでしょ」っていうのが、よくわかってきた気がしていて。なんでかっていうと、俺は毎朝起きたときも、出掛けるときも、帰ってきたときも、必ずYORKE.の絵を見てるから。YORKE.の個展に初めて行ったときに小さい絵を2枚買って、それが作業部屋に置いてあったんだけど、今は玄関に置いてあって、いつも見てる。そうやって一番近くにいる俺は、YORKE.の一番のファンだと思ってる。だから、「俺の見せたいYORKE.ってこれなんだよ」って思ってるし、「次はこういう切り口で見せたい」みたいなことを“Growth Arrow”でやりたいなあって思ってて。MVを作るときに、俺たちにはYORKE.がいるんだから、絶対的に絵を見せたほうがいいし、その過程を見せたほうがいい。俺を出したいとか俺を映らせたいとか、そんなのどうでもいいから(笑)。とにかく絵のシーンが最重要なんだって言ってたら、最終的にYORKE.がやることが超増えていくっていう(笑)。

YORKE.:前はカメラの前で好き勝手やってたんだけど、どう映るのかなっていうことをちょっと意識するようになってきて。作品として、売り物としての映像、っていう意識はすごい高まってきたね。

Ta_2:なんか、自分たちが意外と見失いがちになってたことだったり、「伝わるだろう」って思ってるだけで実はアプローチをしてなかったことを、しっかり形づけたいなっていうことを始めたのが、“Growth Arrow”なのかもしれないな、と思っていて。生意気なことを言うと、いろんなバンドのPVで、ペイントを使ってたりすることがあるけど、別にそいつら普段ペンキ使わねえじゃん、グラフィティ描かねえじゃん、ウチは本物いるんだけどさ、って思うし(笑)。俺らは映像の中だけで終わらねえよっていう。「ワンマンに来てみろよ、そこは全部絵で埋め尽くされてるんだぜ」っていうところが俺らのプライドだから、それをしっかり提示したい意図もあったと思う。

YORKE.:フェスとかで「あいつ描かねえじゃん」って言われるのも、俺はけっこう好きで。だから、なるべく俺はキャンバスに向かってないほうが面白くて。何もしないくらいでもいいんだけど、気づいたら絵は変わっていて、そういう瞬間に人ってドキドキするんだよね。曲って、3分とか4分くらいじゃないですか。本当は1枚のキャンバスに向かって絵を描くとなると、2週間だって1ヶ月だって向かえるわけで、3分、4分で決着をつけていくのは、すごくスリリングなんですよね。絵を描くときって、絶対音楽が必要になってくるし。

Ta_2:俺も、そこだと思う。それこそアニメーターだったり、それこそ漫画描いてる人も、無音で描いてる人なんてほとんどいないから。みんな、何かしら音楽やラジオを聴いてたり、そこで自分が波打つものに塗れながら描いてるはずだから、絶対に。アートを題材にしてる映画とか、たとえば彫刻を作ろうとしてたり、デカいキャンバスに絵を描こうと作ろうとしてる人たちの映像だって、ほとんどのヤツが耳になんか突っ込んでるから。でも、それをステージでやると不思議に見えるんだよね。

YORKE.:僕の立場で言うとね、レオナルド・ダ・ヴィンチはまさにそうだと思うんだけど、絵は音楽を作らせてるものなんですよ。絵があるから音が必要っていうだけで、音楽が先みたいに見られるんだけど、実際はアートが先ですから。たとえば、彫刻があって、ミュージシャンが音楽をつけたくなる。ダ・ヴィンチなんて、真四角な石膏の前、1ヶ月くらいただそこに座って、いきなり掘り出したら作品ができる、みたいな人ですよね。Ta_2のシャウトと僕のペイントのタイミングがばっちりなことあるもん。そうやっていろんなものが影響し合って、それが視覚的に見えるから面白いのかなっていう。

――お互いの存在が影響を与え合って何かが生まれていく、そしてお互いの表現に対して新しい表現を重ねていくことで音楽になり、絵になっていく、そこがOLDCODEXのすごさであり強みである、ということを、ふたりは今すごく自覚しているし、わかっている、そこから生まれたのが、新曲の“Growth Arrow”である、と。

Ta_2:そうだね。最初はテーマをいろいろ考えながら作ってたんだけど、YORKE.が歌詞を最初に見せてくれたときに、「矢で切り裂くような感じなんだよなあ、俺のイメージでは」って言ってて。それ聞いて、その前に考えてたことも全部忘れちゃって、「俺の答え、これだったわ」ってそこで知る、みたいな。あとは、作りながらツアーをやっていて、サポートメンバーも含めてくだらないことをいっぱいしたり、遊び心の多いツアーだったから、それもよかったなあって思う。結果、自分たちの骨を強くすることにもなったし、そこはすごくサポートメンバーにも感謝していて。バラバラに見えていたものが結束されていくことを、ツアーで感じましたね。

『they go, Where?』の答えを教えてくれたのは、やっぱりファンだった(YORKE.)

――昨夏にリリースしたアルバム『they go, Where?』は「あの頃の俺たちはどこに行った?」っていうタイトルに始まり、いろんな事情で時間がない中作り直した結果、OLDCODEXの本質がゴロッと出た作品だったじゃないですか。で、それによって「OLDCODEXってなんなんだろう?」って考える必要がなくなって、「OLDCODEXってこうなんだ」って自信を持って言える、さらにツアーで確信を深めたことで、“Growth Arrow”に至った、という感じはすごくしますけども。

Ta_2:そうだね。もっと育てたいし、もっと変わるんだろうなあって思うし。今回、“Growth Arrow”は俺が作曲してるけど、“Sonic in Portrait”と“Shelter”に関しては、いつも俺たちの曲のアレンジをしてくれる作家に任せていて。久々にそのふたり(eba、小山寿)に曲を書いてもらったんだけど。一緒に作ってくれてたふたりが、アルバムを経た俺たちに何を見るのか、彼らにとってのOLDCODEXを知りたい、と思って――音作りに関しては、出てきたものにすごく細かくオーダーは出してるけど(笑)。自分だけじゃ見えなかったもの、このプロジェクトに深く関わってくれてるふたりから見たOLDCODEXが、よく見える1枚にもなったのかなあ、と思います。

YORKE.:Ta_2は常に進化してるし、いろいろ変わっていくけど、俺自身はその変化に振り回されないようにしてるんですよね。Ta_2の言葉からヒントを得ていることはいっぱいあって、その思いを形にするのが音楽だったりアートだったりするんだけど、最終的なパッケージを見てもらったり、聴いてもらうことで評価されるだけだから。それが伝わるといいなあっていう。

Ta_2:今回の“Growth Arrow”も、いろんな人に伝播してったらいいなあ、と思っていて。伝え方がたくさんあるんだったら、俺たちは俺たちのやり方で一番よく見える形を模索するし、手に取りやすいものをやっていくのも俺たちの目標のひとつだから、それをもっともっと続けていこうかなあ、とは思う。なんか、それは9年目にしてようやくわかってきたことなのかなって思うし――「9年経たねえとわかんねえもんだなあ」とも思うけど(笑)。

――今回のアリーナ公演(1月13日のワールド記念ホール、2月8日の横浜アリーナ)のタイトルにも、ちょっとグッとくるものがあって。アルバムのときには「俺らはどこに行ったんだろう(『they go, Where?』)」と言っていて、今は「俺たちはここだ(『we’re Here!』)」と言えるっていう。なんか、最高にエモいタイトルがついてるな、と(笑)。

Ta_2:(笑)俺ら、意外とエモいことやるんで。

YORKE.:『they go, Where?』の答えを教えてくれたのは、やっぱりファンだったな、っていう。ひとりひとりが「I’m Here」で、「僕はここだよ」っていうメッセージが集まって『we’re Here!』ってなるっていうか。そういうイメージでタイトルを考えてたから、来てる人が主役になれる瞬間をアリーナでも作れればいいなあっていう。ただね、ソールドアウトしてはいないんですよ。これもまた自分の責任だなあ、と思うけど、そこにいる人だけを信じてライブをしようって思いますね。

――でも、OLDCODEXは今までも逆境を跳ね返してきてるじゃないですか。

Ta_2:うん。

YORKE.:そう思ってる。だから、その空間をいかに熱量で埋めるかっていう。そうやって包めば、そこにいる人たちにとってはハッピーな空間にできるはずだし。別に、そんなにネガティブにはなってないんです。しょうがないなって思ってるんだけど、前は、僕自身もけっこうそういうことに繊細だったんですよね。だけど、ずーっとついてきてくれてるファンはその状況を一緒に楽しんでくれるだろうし、今後に期待を持たせるようなライブになればいいな、と思ってます。

『Butlers~千年百年物語~』2018年4月放送開始
(C)2018 SummerACG/「Butlers~千年百年物語~」プロジェクト

――最後に、“Growth Arrow”がオープニングを飾る4月放送のアニメ、『Butlers~千年百年物語~』について聞かせてください。声優・鈴木達央としての主演作でもあるわけですけど、収録はどんな雰囲気で進んでるんでしょうか。

Ta_2:今のところ、2話まで収録が終わっていて。けっこう久々に、「これはみんなで話し合いながら作らないとな」って感じる作品で。監督も、頭の中ですごく頑張って考えてくれてるけど。キャスト一同もみんなで整理整頓して交通整理して、各役者が自分の演じるシーンを、観てる人が楽しく観られるようにっていうところで、みんなが一緒になってやっていて。演者個人の馬力が試されるので、現場としてはとても楽しい現場になってます。音響監督が芝居を聞いて、「芝居のほうは何も文句がねえ」って言ってるので、そのへんはすごく期待してくれていいかなあ、と思います。

取材・文=清水大輔