お金は楽して稼ぐ!? 副収入が「精神的な余裕」に! 脱サラした著者に聞く、お金と投資の話

ビジネス

更新日:2021/6/29

サラリーマンは寝ながらお金を増やしなさい
『サラリーマンは寝ながらお金を増やしなさい』(加藤鷹幸/秀和システム)

 将来のために「お金」を増やしたい…そんな願いは誰にでもあるもの。企業が副業を認めはじめる中で、本格的に「副収入」を意識しはじめたサラリーマンの方もいるかもしれない。発売から1年、じわじわ売れ続けている『サラリーマンは寝ながらお金を増やしなさい』(秀和システム)の著者・加藤鷹幸さんの場合は不動産投資+αで脱サラ自由人になったという。そんな加藤さんにサラリーマンと「お金」の話を聞いてみた。

(取材・文=荒井理恵)

お金は楽して稼いでいい!

――コロナ禍の中、発売から1年で何か変わりましたか?

加藤鷹幸氏(以下、加藤)私のやっている不動産投資は景気の影響を受けないので特に変化はないですが、読者のまじめ度が変わりましたね。残業代カットや倒産など、コロナのおかげで見ないようにしてきたサラリーマンのお金の問題が丸見えになったことで、今までよりシビアになってきています。

 自分では書きすぎたかと思いましたが、生々しい感情や経験が書いてあるのがよかったとの感想をもらいます。投資を始める前に手を出した副業の失敗談もありますし、みんながあまり言わないような欲望(女性にモテたい…etc.)も素直に書いてありますからね。投資は怖いとか、お金儲けに躊躇があるとかいう人も多いので、リアルさが参考になるようです。

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――加藤さんは最初からお金に対してポジティブでしたね。

加藤 もともと人間性が楽観的というのはあるかもしれないですが、そんなに躊躇はなかったですね。いつも「お金儲けできる方法があるなら是非!」と思っていましたから。だって会社からお給料をもらうことに躊躇する人っていませんよね。自分の労働の対価としてもらうわけですから。

 私はそもそもみんなの「お金の考え方」を変えたほうがいいと思っています。どこか「お金を得るためには苦労や努力が必要」とか「日本人は勤勉で努力が好き」とか考えるじゃないですか。そういうのって「日本人ってこうなんだよ」と教育されてきたから「そうでなきゃいけない」と思いこんでるわけで、昔の教育による「洗脳」ですよね。

――本には「お金に対する抵抗感のなくし方」も詳しく書いていますね。

加藤 読者からもそこに一番反応があります。「『お金は努力しなければ手に入らない』じゃないんですね。楽して稼いでもいいんですね!」って。せっかく私の本を読んでもらっているんだから、そういうのを全部フラットにして考えてもらえるといいと思います。不動産投資は借金が怖いとか、株は損するかもしれないとかそういう不安は当然あるでしょうが、そういう不安要素を物理的に解決できる方法があるなら躊躇する理由はないですよね。

――とはいえやっぱり迷ってしまうという場合、どうアドバイスしますか?

加藤 投資に関しては「成功者のレールを後ろから追え」ですね。投資でうまくいっている人たちというのは「実績」があるわけで、だから同じやり方をしたら失敗は少ない。私も当時の師匠のやったようにしただけですし、金魚のフンみたいでも成功者が敷いたレールにトコトコついていくのでいいと思っています。よく自分で勉強して「自己流」をいれようとして失敗する人も多いんですよね。私は誰かが成功しているなら同じ道をいけばいいし、いわゆる「パクり」でもなんでも、こと投資に関してはそれが一番だと思います。

――同じことをみんながすると競争相手は増えませんか?

加藤 投資の中にもいろいろあって、例えば、私がやっている不動産投資はゼロサムゲームではないんですよ。FXなんかはゼロサムなので、誰かがうまくいくと誰かが失敗しますから、そこまで情報開示されません。私はすでに物件を持っていますから、不動産投資を誰かが始めたからといって私のお金が減るわけでもない。だから教えていいことは全部教えてしまいます。

――とはいえ、なぜあえて人に教えるんでしょう?

加藤 師匠の教えに「成功したらちゃんと教えろ」があったのもありますし、実際、私一人で投資の情報を集めるのでは一馬力にしかならないからです。私が教えることで同じような成功者が100人生まれたら、私には100人分の情報が集まってきますよね。その数が増えれば増えるほど私にもいい情報が入ってくるわけです。世の中にマネー本はたくさんあって、筆者によっては自分の塾の営業をするなどいろいろですが、私自身は大学であるような「サークル」を作る感覚でやっています。

副収入が生む「精神的な余裕」

――副収入を得るようになって一番よかったことは?

加藤 精神的な余裕ですね。本にも書きましたが、私は世の中の苦労というのは9割以上はお金で解決できると思っています。よく「会社に行きたくない」ってみんな言うじゃないですか。仕事にホントにやりがいを持ってる人なんてごく一部で、みんなお金のために続けてるわけですから、「5億円あったら会社やめるか?」と聞かれたら「やめる」って言いますよね。つまりお金があれば解決できるわけです。

――副業を認めたり早期リタイアも普通になったり、サラリーマンの世界もだいぶ変わってきました。

加藤 早期リタイアとか大賛成だし、サラリーマンの働き方が多様になってきたのはすごくいい流れだと思っています。私は時間的に難しくなってサラリーマンをやめましたが、お金に余裕ができると「やめる」という選択肢がいつでもあってストレスを感じなくなりますから、社会的地位とか健康保険とかのために企業にぶらさがる生き方だってアリだと思います。ちなみに不動産投資をやる場合はサラリーマンでないと融資を受けられないので、私も不動産投資をギア上げて拡大するつもりだったら残っていたと思います。

――ちなみに「マネーに対する感度」というのは何か磨く術はあるんでしょうか?

加藤 「自分の情報開示」が近道だと思いますね。たとえば隣のデスクで仕事をしている人の年収や投資の状況なんてほとんど知りませんよね? つまりそのままでいてもなかなか情報は入ってこないわけです。でも日頃から「投資に興味がある」とか「お金がない」とか言っていると、「コイツはお金に興味あるんだな」とまわりが認知して、たまたま詳しい人が近くにいたら「こういうのがいいよ」と教えてくれたりします。みんなインスタも「私はこんなキレイな生活を送ってます」みたいなものしか見せませんが、「こんなに大変なんですけど、こんなふうになりたいです」と弱みを赤裸々に見せたほうが「助けてあげたい」という人から情報が入ってきます。だから私の本も生々しくてリアルなんです。

――今後の目標はありますか?

加藤 ないですね。もはや「夢や目標をもたなければ」という時代じゃないと思うし、私にはお金があってもやりたいことなんて別にないです。毎日自分の好きな時間に起きて、好きなことやって生きていければいいですから。お金の減らない投資をやっているので目標をもつ理由もないし、巨額を稼いでお金をばらまくつもりもない。世間に私という人間を知ってもらいたいとかもないし、なんでも買えるようになるとブランド品も本当に欲しいのか価値観も変わります。コロナの影響で世の中の考え方がガラリと変わったじゃないですか。今までの常識も変わったし、これからはますます格差社会になると思います。だから「お金」に躊躇しているサラリーマンの方には、まずその躊躇や不安をリセットして行動してほしいと思います。私の本を参考にするのもいいですし、その人に合ったやり方は必ずあるものなので、探してみたらいいと思いますよ。

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